2010年01月26日
慶應義塾大学
デジタルアーツ株式会社

慶應義塾大学、デジタルアーツ株式会社共同調査
「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」
第二回調査結果の発表について
~慶應義塾高等学校生の保護者を対象に、大学院メディアデザイン研究科がインターネットを安全に利用するための
アンケートを実施、生徒と保護者の意識に大きな乖離~

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(横浜市港北区)と、情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫)は、慶應義塾高等学校(横浜市港北区)の第一学年全生徒の保護者を対象に、「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」を実施しました。2009年6月に実施した生徒向けアンケートと合わせて集計を行い、本日、その結果を公表しました。

本調査は、高校生のインターネット利用実態や生徒と保護者の意識の把握等を目的として、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科がデジタルアーツ株式会社と共同で調査の企画・実施・分析を行ったものです。

調査結果の注目すべき点は以下のとおりです。

  • 生徒(子ども)の約5分の1(22.7%)がインターネット上のトラブルに遭遇した体験があると回答しているが、保護者は10分の1(10.0%)しか子どもの遭遇体験を認識していないなど、生徒と保護者の認識とに大きな乖離が存在する。
  • フィルタリングについてはその有用性を認識しつつも、パソコンスキルの低い初心者(保護者)が実際の利用に結びついていない状況が見受けられる。
  • 青少年インターネット利用環境整備法を知らない保護者が、約半数(44.9%)であった。

調査結果を踏まえ、今後は社会全体として以下のような取り組みが求められると考えます。

政府
青少年インターネット利用環境整備法の認知向上に向けた取組
フィルタリング普及啓発活動強化
民間事業者
初心者(保護者)への直接説明機会の確保
ワークショップ等の体験型学習機会の増大
学校等
生徒への実例等情報教育
保護者への積極的な情報提供
家庭
生徒(子ども)の利用状況把握
インターネット利用におけるルール設定、フィルタリング導入

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と、デジタルアーツ株式会社は、この調査結果を踏まえながら、今後もインターネット安全利用に関する教育プログラムの計画や実践、保護者への情報提供活動を進めるとともに、家庭におけるフィルタリングソフト導入や、インターネット利用におけるルールづくりにかかるアドバイスを実践していきます。

アンケート調査結果の注目点

(生徒と保護者の意識差)

  • 携帯電話、パソコンとも保護者は生徒(子ども)の利用時間を過小に評価している傾向がある。
  • 保護者は、生徒(子ども)の携帯電話やパソコンの利用状況を知っていると考えている一方、生徒(子ども)は親が知らないと考えている傾向にある。
  • 生徒(子ども)の約5分の1(22.7%)がインターネット上のトラブルに遭遇した体験があると回答しているが、保護者は10分の1(10.0%)しか、生徒(子ども)の遭遇体験を認識していない結果であった。
  • インターネット上のトラブルを回避する方法としては、生徒(子ども)、保護者とも、“インターネットトラブルを具体的に知っておく”、“フィルタリングを利用する”が過半数を超えており、より具体的な対策方法を必要としている状況にある傾向が見受けられる。

(保護者の意識)

  • パソコンの場合はインターネットの利用時間に依存せず、約4分の3の保護者が生徒(子ども)利用状況を把握しているが、携帯電話の場合は利用時間が長くなるほど生徒(子ども)の利用状況を把握していない結果となった。
  • 生徒(子ども)とインターネット利用の際のルールを決めていない保護者は、その利用状況を把握していない傾向にある。
  • パソコンスキルの低い初心者(保護者)ほど、フィルタリングの有用性の認識は高いが、フィルタリングソフトの提供を行っても、フィルタリングソフトの利用率が低い傾向にある。
  • インターネットの安全な利用に関する教育の担い手としては、保護者や学校への期待が大きい。
  • 青少年インターネット利用環境整備法は、保護者の約半数(44.9%)が知らない結果となった。

アンケート調査の概要

対象
慶應義塾高等学校第一学年全生徒及び保護者(生徒719人、保護者458人)
調査企画
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、デジタルアーツ株式会社
調査実施
一般社団法人融合研究所
調査協力
慶應義塾高等学校
実施時期
生徒
2009年6月8日(月)から12日(金)の5日間
※ 本調査の実施結果については以下のプレスリリースをご参照ください。

慶應義塾大学|プレスリリース

保護者(1)
2009年6月26日(金)から2009年7月20日(月)の25日間
※ インターネットの安全利用に関する情報提供を実施した直後のアンケート
(郵送調査)
保護者(2)
2009年9月11日(金)から2009年9月28日(月)の18日間
※ パソコン向けフィルタリングソフトの配布を実施した後のアンケート
(郵送調査)

【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。

PDF 「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」第二回調査結果の発表について(323KB)

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツは、フィルタリング技術を核に、情報セキュリティ事業を展開する企業です。製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行い、国産初のWebフィルタリングソフトを市場に出したメーカーならではの付加価値を提供しています。また、フィルタリング製品の根幹を支える国内最大級となる2億9,000万ページを超すWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力が高く評価されています。国内でトップシェアを誇るWebフィルタリングソフトとして、個人向けに「i-フィルター」、企業向けに「i-FILTER」、また企業向け電子メールフィルタリングソフトとして「m-FILTER」を提供しています。
  • ※ デジタルアーツ/DIGITAL ARTS、ZBRAIN、アイフィルター/i-フィルター/i-FILTER、m-FILTERは、デジタルアーツ株式会社の登録商標です。
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