2015年07月06日
デジタルアーツ株式会社

未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査
~携帯電話・スマートフォン所有者によるアプリやネットの利活用実態を調査~

女子中学生のスマートフォン所有率が7割に増加
女子高校生の動画アプリでの撮影・投稿経験ありは68.9%
~ネット上で違法行為を犯すと罰則があることを認識していない割合は女子高校生35.9%、女子中学生64.1%~

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、未成年者のインターネット上での違法行為・迷惑行為における認識をテーマに盛り込み、アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士 中崎 尚様監修の下、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小・中・高校生男女618名、及び0歳から9歳の子どもを持つ保護者層597名、合計1,215名を対象とした、第8弾となる利用実態調査を実施しました。

10歳から18歳の携帯電話・スマートフォンの使用実態 ※()内は前回2015年1月調査の数字
  • 何らかの携帯電話を持つ未成年者(10歳~18歳)のスマートフォン所有率は67.3%(65.1%)。小学校高学年(10歳から12歳)40.8%(39.3%)、中学生62.1%(59.7%)、高校生99.0%(96.1%)。特に女子中学生が69.9%(52.45%)に増加。
  • 全体のフィルタリング使用率は48.2%(48.6%)。今回は女子中学生が59.3%(46.4%)、女子高校生が53.0%(39.3%)と高い。
  • 1日の平均使用時間では、全体で2.5時間(3時間)。小中学生は2時間未満、男子高校生は3.8時間(4.1時間)。女子高校生は5.5時間(7時間)で、「15時間以上」6.8%(9.7%)など、前回と比較し長時間使用が減少した。
  • 使用するようになってからの経験では、女子高校生が「使い過ぎによる注意」以外に「寝不足」25.2%(11.7%)、「頭痛などの体調不良」17.5%(9.7%)、「イライラするようになった」15.5%(4.9%)等、健康面に悪影響の傾向あり。
  • 使用頻度の高いアプリは「LINE」61.7%(61.8%)、「YouTube」39.6%、「ゲーム」35.4%(41.4%)。「YouTube」以外の動画系アプリは「Instagram」7.4%(7.4%)、「TwitCasting」2.9%、「Vine」2.8%、「MixChannel」1.3%。
  • 動画アプリで撮影・投稿する内容は、「自分のプライベート」30.4%、「学校での自分や友達」20.4%、「動物」14.0%。左記以外に、女子高校生では「芸能人・有名人」31.1%、「有名キャラクター」16.5%、「コンサート、ライブ」12.6%が高い。
インターネット上の犯罪・違法行為の認識
  • インターネット上での違法行為において、罰則があるのを認識していない割合は、親50.4%、子ども53.7%。女子高校生は35.9%、女子中学生は64.1%。
  • 違法と思う行為の中で認識が低いのは、親子の全体平均で「他人を侮辱すると訴えられる」58.8%、「他人を自殺に追い込むと捕まる」59.3%、「違法行為の仲間を募集すると捕まる」60.7%。女子中学生で一番低かったのは、「他人を自殺に追い込むと捕まる」40.5%。女子高校生は「違法行為の仲間を募集すると捕まる」47.0%。
  • 同年代が犯罪に巻き込まれたニュースを見て思うことは、親子の全体平均で「自分の身にもいつ起きるかわからないので怖い」67.8%、「あまりネットやアプリを使わないので、自分には関係ないと思っている」15.7%、「自分は絶対に巻き込まれない自信がある」6.8%。
0歳から9歳の保護者の情報モラル教育や対策についての意識 ※()内は前回2015年1月調査の数字
  • 保護者の45.4%(45.7%)が、子どもが想定外の使い方をしていて驚いた経験があり、持たせている端末は「携帯ゲーム機」21.4%(25.7%)、「子ども用携帯電話」12.9%(15.5%)、「契約の切れた中古のスマートフォン」9.7%(10.6%)。
  • 保護者の67.5%(64.0%)が、子どもがネット上で犯罪に巻き込まれないための対策や教育が十分に取られていないと回答。どのような対策や教育が有効だと思うかについては、「情報モラル教育強化」58.6%(54.6%)、「販売されている端末側の機能制限」53.6%(51.4%)、「アプリやウェブサービス提供者の年齢制限」52.4%(51.2%)。
  • 「情報モラルの教育強化」が有効と回答した保護者は、「学校・教育機関」73.7%(69.7%)、「保護者・家庭」59.7%(59.1%)、「地方自治体」50.0%(40.9%)、「政府」48.7%(46.2%)が主体的に行ってほしいと思っている。
【調査概要】
調査対象:何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ全国の10歳から18歳の男女及び全国の0歳から9歳の子どもを持つ保護者
調査期間:2015年6月3日(水)~6月8日(月)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,215サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:597サンプル)
実施機関:株式会社マクロミル

今回の調査は、2011年12月から定期的に行っている「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」の第8弾として行われ、10歳から18歳のスマートフォンやタブレット端末などのインターネット接続可能な携帯端末がどのように活用されているのかの調査と、0歳から9歳までの低年齢層の子どもを持つご家庭で保護者がどのような意識・意向で子どもにインターネット接続端末を使わせているのか調査を行いました。

10歳から18歳の何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ未成年者の中でのスマートフォン所有率は、67.3%と前回調査(2015年1月実施)の65.1%から2.2%上昇し、フィルタリング利用率は前回の48.6%から0.4%減少して48.2%となりました。今回の特筆すべきポイントは、女子中学生のスマートフォン所有率が69.9%に上昇したことと、一部の女子高校生はスマートフォンの使い過ぎが原因と思われる体調不良を感じる割合が増えたことです。1日の平均使用時間は減少しましたが、人と接している時間帯での“ながら使用”は減少傾向にあるものの、自分一人になれる空間や時間帯での使用は上昇傾向が見られたことから、スマートフォンに没頭する時間が増えたことが体調不良の一因ではないかと推測しています。

そして、今回のテーマとして、近年、未成年者によるインターネット上の違法行為・迷惑行為が社会問題になっていることを受けて、インターネット上での普段の行為が法律を犯してしまう可能性があることを認識しているかについて調査しました。インターネット上での違法行為において、罰則があるのを認識していない割合は、親50.4%、子ども53.7%と、全体で50%を超える結果となりました。教える立場の大人がインターネット上で行われる行為に纏わる法律を正しく理解していないので、未成年者も罪の意識を持つことなく、何気なく違法行為を犯してしまっているのが現状です。違法行為が原因となり、刑事事件や訴訟に巻き込まれると、本人だけでなく家族の人生にも大きな影響を与えかねません。今後は端末側での機能制限やフィルタリングソフトを子どもの成長に合わせて活用しながら、学校・教育機関とご家庭において、情報モラル教育の一環として、幼少期から子どもたちにどのようなインターネット上の行為が違法にあたるのかを正しく学ばせ、罪の意識と被害に遭う怖さを教え続けていくことが望まれ、将来的に健全なインターネットの利活用が日本全国に広がることを願っております。

デジタルアーツは、今後も、一人でも多くの方が安全なインターネットライフを過ごしていただけるように、インターネットのリテラシーとフィルタリングの重要性を全国に訴求し続けてまいります。

今回の調査結果について

アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 弁護士 中崎 尚氏

今回の調査結果を拝見して、スマートフォンの所有が未成年者の間に着実に広がる一方で、インターネット上での違法行為・迷惑行為を犯すことへの罪の認識が伴っていないことがわかり、未成年者がこれからインターネットを介した犯罪やトラブルに巻き込まれないためにも、早い段階から日常生活をする上で関連の深い法律への認識を高める必要性があるのではないかと思いました。

スマートフォンの登場により、写真や動画を簡単に撮影してインターネット上に投稿できるようになってから、知人や直接知らない第三者を誹謗中傷・攻撃する、動画や写真を無断で撮影・投稿する、著作権・肖像権を意識せず公開してしまうといった行為が大人だけでなく、未成年者の間で問題になっているのが現状です。違法行為を犯すと、刑事事件と見なされ逮捕・補導に至った場合、民事事件とされ訴訟問題に発展した場合、それぞれのケースで本人や家族にどういった被害が降りかかるのかを自分の身に置き換えて学べる機会が幼少期から必要ではないかと感じております。

そして、インターネットを使う時は、情報モラルに加えて、不用意な投稿や発言を控えるための家庭内でのルールづくりやフィルタリングソフトを活用していただき、誰もが健全なインターネットライフを過ごすことができる社会を目指して、違法行為を犯さない意識を高めていただけることを期待しております。

【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。
 「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツは、フィルタリング技術を核に、情報セキュリティ事業を展開する企業です。製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行い、国産初のWebフィルタリングソフトを市場に出したメーカーならではの付加価値を提供しています。また、フィルタリング製品の根幹を支える国内最大級のWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力が高く評価されています。国内でトップシェアを誇るWebフィルタリングソフトとして、家庭および個人向け「i-フィルター」・企業向け「i-FILTER」「i-FILTER ブラウザー&クラウド」を提供する他、企業向けとしてメールセキュリティソフト「m-FILTER」、メール誤送信防止ソリューション「m-FILTER MailAdviser」、セキュア・プロキシ・アプライアンス製品「D-SPA」、ファイル暗号化・追跡ソリューション「FinalCode」を提供しています。
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  • ※ デジタルアーツ/DIGITAL ARTS、ZBRAIN、アイフィルター/i-フィルター/i-FILTER/i-FILTER EndPoint Controller、m-FILTER/m-FILTER MailFilter/m-FILTER Archive/m-FILTER Anti-Spam/m-FILTER File Scan、D-SPA はデジタルアーツ株式会社の登録商標です。
  • ※ FinalCodeは、株式会社アイキュエスの登録商標です。
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