2017年03月01日
デジタルアーツ株式会社

未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査
~携帯電話・スマートフォン所有者によるアプリやネットの利活用実態を調査~

スマートフォン所有率が小学生60.2%、中学生82.0%に
女子高校生は使い過ぎで4人に1人が体調不良を感じ
5人に1人が成績悪化を注意された経験あり
~1番信頼できる情報源は「テレビ局」39.3%、4人に1人が「どこも信用していない」と回答~

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、未成年者の携帯電話・スマートフォンの最新の利活用状況について、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小・中・高校生男女618名、及び0歳から9歳の子どもを持つ保護者層579名、合計1,197名を対象とした、第10回目となる利用実態調査を実施しました。

10歳から18歳の携帯電話・スマートフォンの使用実態 ※()内は前回2016年1月調査の数字
  • 何らかの携帯電話を持つ未成年者(10歳~18歳)のスマートフォン所有率は80.3%(70.6%)。小学校高学年(10歳から12歳)60.2%(37.9%)、中学生82.0%(76.2%)、高校生98.5%(97.6%)。特に小学生の所有率が伸びた。
  • 全体のフィルタリング使用率は53.9%(52.3%)。1番高いのは女子高校生59.6%(54.1%)。
  • 1日の平均使用時間は、子ども全体で3.2時間(3.0時間)。女子高校生は6.1時間(5.9時間)で、「3~6時間未満」が42.7%。
  • 使用頻度の高いアプリは子ども全体で「LINE」73.9%(66.3%)、「YouTube」58.6%(53.4%)、「Twitter」35.8%(40.9%)。この他で女子高校生の中で人気が高いのは 「SNOW」58.3%、「Instagram」50.5%、「メルカリ」49.5%。
携帯電話・スマートフォンを使用し始めてからの自分自身の変化
  • 子ども全体で「四六時中、使い過ぎていると注意された」36.2%(30.1%)、「食事中もいじっていると注意された」23.0%(18.8%)、「寝落ちするまでいじっていた」23.0%(17.8%)、「寝不足で頭がぼーっとしていたり、注意力散漫になった」16.3%(13.4%)で、全体的に上昇傾向。
  • 女子高校生は、「頭痛等の体調不良になる回数が増えた」26.2%(14.6%)と4人に1人が感じている。
  • 「学校の成績が落ちてきたと注意された」と回答したのが、男子高校生21.4%(19.4%)、女子高校生20.4%(9.7%)と5人に1人の割合。
ネット上でのお小遣い稼ぎの実態
  • ネット上でのお小遣い稼ぎの経験は、子ども全体で34.5%(30.7%)、男子高校生は73.8%(79.6%)、女子高校生は81.6%(68.9%)がありと回答。
  • お小遣い稼ぎを始めた理由は、子ども全体で「自分の好きな時間・ペースで稼げるから」46.5%(33.2%)、「追加で遊ぶお金が欲しいから」45.5%(47.4%)、「空いた時間がもったいないから」29.6%(22.1%)で、稼ぐ方法は「ポイント交換」78.4%(76.8%)、「中古品の販売」18.8%(12.6%)、「LINEスタンプの作成」16.4%(1.6%)。毎月平均収入は10,000円未満が86.4%(86.8%)。
  • 女子高校生は、54.8%が自分の好きな時間・ペースで稼げる方法を好み、「ポイント交換」75.0%に次いで、「中古品の販売」32.1%が高い。
リスクに対する考え方や情報の信頼度における意識
  • ネット上の友達とのリアル化を希望するのは子ども全体の47.4%(49.4%)、女子高校生は53.3%(68.5%)と前回より減少。
  • 最近のネットに関する事件で自分が当事者になりうると感じた事件は、子ども全体で「個人情報が漏洩する」25.6%、「アカウントを乗っ取られて悪用される」17.8%、「友達・知り合いの写真・動画をネットで勝手に投稿する」15.9%。「特にない」が61.5%と最も高い。
  • 違法行為をしないために気をつけていることは、子ども全体で「他人の悪口や侮辱をしない」52.8%、「他人の個人情報・写真を無断で公開しない」36.6%、「他人を脅さない」24.8%、「他人を自殺に追い込むようなことはしない」23.3%、「他人が著作したものを無断で公開したり、2次的に引用しない」22.2%と、全体的にリスクの意識が低い。
  • 1番信頼している情報源は「テレビ局」で、子ども全体39.3%、親全体28.8%。次は「新聞社」で、子ども全体21.8%、親全体23.3%。一方、「どこも信用していない」と回答したのは、子ども全体23.6%、親全体25.6%で4人に1人の割合。
タブレット学習/プログラミングの経験と関心の有無
  • タブレット利用経験は小学生に多く、男子小学生(10歳から12歳)27.2%、女子小学生(10歳から12歳)33.0%。プログラミングの「興味あり」は全体の47.0%、「経験あり」は全体14.5%。
0歳から9歳のインターネット端末所有状況と勝手に使われていた経験
  • 0歳から9歳の専用の端末所有率は、56.8%(55.5%)が何らかの端末を所有しており、内訳は「携帯ゲーム機」25.0%(27.6%)、「子ども用携帯電話」15.7%(15.3%)、「市販のタブレット端末」12.6%(11.9%)、「契約の切れた中古のスマートフォン」10.4%(8.9%)。
  • 気がついたら子どもが勝手に使っていて驚いた経験があるのは54.1%(52.6%)で、内訳は「動画を見ていた」67.7%(62.7%)、「カメラアプリを起動していた」28.8%(32.6%)、「電話が発信されていた」23.3%(25.2%)。
【調査概要】
調査対象:何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ全国の10歳から18歳の男女及び全国の0歳から9歳の子どもを持つ保護者
調査期間:2017年1月10日(火)~1月16日(月)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,197サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:579サンプル)
実施機関:株式会社マクロミル

この調査は、2011年12月から定期的に行っている「未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査」の第10回として行われ、今回の調査結果では、10歳から18歳の何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ未成年者の中でのスマートフォン所有率は、80.3%と前回調査(2016年1月実施)の70.6%から9.7ポイント増加し、特に小学生の所有率が60.2%(37.9%)と、前回より22.3ポイント増加しました。この1年で格安スマートフォンの普及も進んだことから、子どもにスマートフォンを所有させる時期がより低年齢化した結果と見ています。

女子高校生は、スマートフォンの所有率が調査を開始してから初めて100%になり、写真や動画を専用アプリで編集して楽しむ等、頻繁に使用していることが伺えます。しかしながら、1日の平均使用時間が6.1時間(前回5.9時間)と長く、四六時中使用している傾向にあるため、日常生活や健康への悪影響が心配される結果となりました。

インターネット上でのお小遣い稼ぎの経験もこの1年で女子高校生が81.6%(68.9%)と、前回より12.7ポイント増加したのは、ポイント交換は勿論のこと、フリマアプリが浸透したことで身の回りの物を気軽に販売できるようになったことや、LINEスタンプの制作条件が2016年10月から緩和されたので、以前より自分のペースで好きな時間にお小遣いを稼げる環境になったことが影響したと考えられます。

スマートフォンやタブレットの普及により、年齢問わず、情報漏洩などのセキュリティ面だけでなく、出会い系による被害や違法行為を犯してしまうリスクが増えていますが、全般的にリスク対策における意識の低さが感じられる結果となりました。未就学児や小学校低学年でもインターネットに接続する機会が増えているにも関わらず、スマートフォンのフィルタリングの使用率は前回と比較してもほぼ変化がなく、中でも今回1番増加した小学生の使用率が51%とまだ低いことから、今後は低年齢層の保護者に対する説明機会の創出やフィルタリングの理解促進が課題になるでしょう。

また、昨年後半にはネット上に広がるフェイクニュースをどう見分けるかが話題となりましたが、今回の調査結果で、1番信頼できる情報源は「テレビ局」であると、子どもの39.3%、親の28.8%が回答する一方で、4人に1人が「どこも信用していない」と回答しており、ネット上であらゆる情報が自由に発信される中、周囲に踊らされないよう、冷静に判断する力が今後ますます必要になるでしょう。

今回の結果を受けて、デジタルアーツは、初めてお子様にスマートフォンを持たせる時期よりも前の、お子様に初めてインターネット端末に触れさせる未就学児をお持ちのご家庭から情報モラル教育を始めとした違法行為や危険な行為における注意喚起、嘘の情報に騙されないための教育を行っていただきたいと思っております。また、インターネット接続端末側での機能制限やフィルタリングソフトをお子様の成長に合わせて活用しながら、学校・教育機関とご家庭が連携して、幼少期から子どもたち自身が正しい判断ができる力を身につけるための情報モラル・メディア教育が浸透することを願っております。

今後もデジタルアーツは、1人でも多くの方が安全なインターネットライフを過ごしていただけるように、このような調査を通じて、インターネットのリテラシーとフィルタリングの重要性を全国に訴求し続けてまいります。

【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。
「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツは、フィルタリング技術を核に、情報セキュリティ事業を展開する企業です。製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行い、国産初のWebフィルタリングソフトを市場に出したメーカーならではの付加価値を提供しています。また、フィルタリング製品の根幹を支える国内最大級のWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力が高く評価されています。国内でトップシェアを誇るWebフィルタリングソフトとして、家庭及び個人向け「i-フィルター」・企業向け「i-FILTER」「i-FILTER ブラウザー&クラウド」を提供する他、企業向けとしてゲートウェイ型電子メールセキュリティソフト「m-FILTER」、クライアント型電子メール誤送信防止ソフト「m-FILTER MailAdviser」、セキュア・プロキシ・アプライアンス製品「D-SPA」、ファイル暗号化・追跡ソリューション「FinalCode」を提供しています。
https://www.daj.jp
  • ※ デジタルアーツ/DIGITAL ARTS、ZBRAIN、アイフィルター/i-フィルター/i-FILTER、m-FILTER/m-FILTER MailFilter/m-FILTER Archive/m-FILTER Anti-Spam/m-FILTER File Scan、D-SPA はデジタルアーツ株式会社の登録商標です。
  • ※ FinalCode はデジタルアーツグループの登録商標です。
  • ※ その他、上に記載された会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。