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2015/07/30   
ICT教育    i-FILTER ブラウザー&クラウド   

「教育のICT化」で5年後には小中高の生徒全員が1人1台タブレット端末を持つ時代に

「ICT教育」の積極推進で学校が大きく変わろうとしています

今、教育の世界は大きな変化点を迎えつつあります。分かりやすい例で言えば、小学校における英語教育があります。既に小学5年生から必修になっている英語の授業を、2020年までには小学3年から必修化、さらに5、6年生では正式な教科として扱われることが検討されています。何かと取り沙汰されることが多い小学校での英語教育ですが、文部科学省では小学校に限らず、中学校から高校、大学に至るまで、従来の英語教育の在り方を大きく変化させようとしています。

そして英語教育と並んでもう1つの教育改革の大きな目玉が、「ICT教育」です。文部科学省は現在、教育現場のICT化を積極的に進めています。その背景には、国全体としてICT活用を推し進めていこうという政府の大きな方針があります。

2013年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家想像宣言」では、あらゆる国民がICTの恩恵を受けることで豊かな生活を送れるよう、国民全体のICTリテラシーの底上げを図るとしています。またあわせて、社会をリードする高度なICT人材の育成にも力を入れていくと宣言しています。こうした目標の達成に向け、現在文部科学省が音頭をとり、小学校から大学まで、全国の教育機関が教育現場へのICT導入を進めています。

またICT教育の目的は、ICTのスキルを生徒・学生に直接的に身に付けさせるだけに留まるものではありません。ICTを教育現場で活用することで、教育の本質そのものを変えていこうという動きも活発化しています。その1つが、現在教育界で話題になっている「アクティブ・ラーニング」です。

これは、従来のように教師が生徒に一方的に教えるのではなく、生徒同士のグループディスカッションや発表などを通じて、生徒がより主体的・協働的に学習するよう促すという新たな学習形態です。先般、文部科学大臣が中央教育審議会に学習指導要領の改訂を諮問した際、このアクティブ・ラーニングの導入を謳ったことで大きな注目を集めていますが、中にはかなり以前から自主的にこうした手法を取り入れてきた学校もあります。

こうした双方向の学習や授業を進めていく上では、従来のように教師が教壇で黒板に板書をし、生徒が机に向かって紙の教科書を読み紙のノートに書き込むというスタイルは、場合によっては効率が悪いことも考えられます。そこでICTの道具を有効活用することで、教師と生徒、あるいは生徒同士が双方向でやりとりをし、情報をより効率的に共有できるような仕組みが求められているのです。

タブレット端末の教育現場への導入が既に始まっています

ではICT教育では、具体的にどのような技術が使われるのでしょうか?
代表的なものの1つに「電子黒板」があります。最新の電子黒板製品の中は、単にPCやタブレット端末の画面をスクリーンに映し出すだけでなく、タッチパネル機能を備えるものもあり、現在各メーカーが機能や価格を競い合っています。

また、生徒が使う教科書やノートを電子化する試みも進んでいます。代表的な例が「デジタル教科書」で、これは従来の紙の教科書をデジタル化し、タブレット端末を使って読むというものです。またタブレット端末は、生徒が自らノートをとったり資料を作成するためのデバイスとしても使うことができます。

このようにタブレット端末は、いわば「ICT教育の目玉」といってもいい存在だと目されています。文部科学省が2011年に発表した「教育の情報化ビジョン」では、2020年までにすべての学校で1人1台のタブレット端末を導入したICT授業を実現するとしており、2015年5月には実際にその実現に向け同省が検討を始めたとの報道がなされました。

一方、学校によっては既にタブレット端末を導入して授業で活用していたり、あるいは先進的な例では生徒に配布して自由に使わせるといった取り組みを始めているところもあります。特に私立校では、将来の少子高齢化による生徒数減少を見据え、対外的なアピールを狙ってICT教育に早くから積極的に取り組んでいるところも多いようです。

しかし、実際にタブレット端末を利用する教育現場の教師の方々は、教育の専門家ではあってもICTの専門家ではありません。そのため、タブレット端末の扱いに苦労することも多いようです。特に小学校や中学校などでは、生徒が教育上望ましくない使い方をしないよう配慮する必要があります。例えば、望ましくないアプリの導入や、危険なサイトの閲覧に制限を加えるといった具合です。

実は、弊社が提供するスマートデバイス向けWebフィルタリング製品「i-FILTER ブラウザー&クラウド」も、今こうした教育用途での採用例が急速に増えています。まだICTリテラシーを十分に身に付けていない生徒が、タブレット端末を通じて危険なサイトやサービスに触れないよう、「i-FILTER ブラウザー&クラウド」のWebフィルタリングの仕組みを使ってアクセスをブロックしてしまうわけです。

大変興味深いことに、こうした教育現場における導入事例からは、学校だけに限らず一般企業での利用にも通じるような、さまざまな工夫や課題が生まれてきています。今後、その具体的な内容を本コラムの中で少しずつ紹介していければと考えています。
<「i-FILTER ブラウザー&クラウド」製品担当:一條>

  • ※ ICT:アイシーティー(Information and Communication Technology)
    情報処理や通信などに関連する技術・産業・設備・サービスなどの総称。2000年代半ば以降、ITに替わる語として、主に総務省をはじめとする行政機関・公共事業などで用いられている。
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