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2015/11/19   
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「スマホのルール」は「デキる主婦の家事のコツ」のようなもの

最近、子どもたち自身による「スマホのルール作り」が全国各地で行われています。これは、子どもたちが自分でルールを作る方が、大人が上からルールを押し付けるよりもルールがきちんと守られ、子どもたちのITリテラシーも向上するのではないかということを狙った取り組みです。

弊社でも教育委員会などからの依頼で子どもたちのルール作りのお手伝いをさせていただいていますが、こういった取り組みを重ねている子どもたちは、高校生でも中学生でもITリテラシーが高い子が多く、スマホの課題を自分の問題として考えることの効果をはっきりと感じます。

よくある「禁止事項ばかり」のルール

一方で、ルール作りの現場に居ると、ルール作りに慣れていないうちは「禁止事項ばかり」のルールになってしまうという光景もよく目にします。(これは、子どもに限らず大人もそうです。)

  • 「 スマホの利用は夜9時以降禁止 」
  • 「 LINEで悪口を書くこと禁止 」
  • 「 スマホゲームの課金禁止 」
  • 「 歩きスマホ禁止 」

例えば、このようなルールです。皆さんもよく目にするのではないでしょうか。もちろん、こういったルールにも有益な場合がありますし、「歩きスマホ禁止」などは自分の身を守るためにも重要なルールです。しかし、ルール作りにしっかりと取り組んでいる子どもたちからは、単なる禁止ではなく、自分の生活の中でどのようにスマホをうまく使っていくかという視点に立ったルールが出てきます。

単なる禁止ではないルールとは?

例えば、学校関連の連絡がLINE頼りになってしまっていた学校では、「LINEに頼らず、連絡用の黒板をもっと活用する」という意見が出ました。LINEに頼らないのであれば、代わりに何を使うべきなのかということまで考えられた、良い意見だと思います。

ゲームの課金が問題だという話が出た学校では、「スマホの課金はプリペイドカードでしよう」という意見が出ました。これは、保護者のクレジットカードだと課金し過ぎてしまう恐れがあるため、コンビニでApp StoreやGoogle Playのプリペイドカードを買う方が節度ある課金ができるという子どもたちの知恵です。安易に「課金は禁止」としなかったのも、子どもたちが「守れるルール」を目指した結果だと思います。

また、スマホを勉強に使うことを考えた学校では、「学習用のスマホアプリは、学習そのものよりも、学習時間や進捗の管理に使った方がいい」という意見も出ました。これは、学習アプリを実際に試してみた結果、ものを覚えるには紙とペンの方が効率的だが、学習の進み具合の管理にはアプリが有効だという体験から出た意見です。学習アプリを触ったことの無い大人からは、絶対に出ない意見です。

良いルールは「デキる主婦の家事のコツ」

みなさんの中には「賢い料理術」や「簡単お掃除のコツ」のような記事をご覧になる方も多いのではないかと思いますが、スマホのルールも同じようなものではないかと感じています。今の子どもたちにとって、スマホは生活を便利にしたり楽しくしたりするための「コツ」のようなものなので、それを「禁止する」のではなく、その「コツ」が「もっと良いコツ」になる方法を考えることがスマホのルール作りであると考えてみると、禁止ばかりのルール作りから一歩前進できるのではないでしょうか。

フィルタリングは禁止ばかりでは??

上記のようなことを言うと、「でも、御社の作っているフィルタリングは、色々と禁止するための製品ですよね?」という突っ込みをもらうこともあります。でも、それはちょっと違います。危険なサイトや有害なサイトを利用してしまうことで、せっかく手に入った「スマホを使った便利で楽しい生活」が台無しになってしまうこともあります。そうならないために、危険なサイトや有害なサイトを自動的に排除してくれるフィルタリングも、生活を便利にしたり楽しくしたりするための「コツ」のひとつだと考えています。
<政策担当 チーフエバンジェリスト:工藤>

  • ※プリペイドカードとは
    現金の代わりにあらかじめ前払いで支払った金額分を電子マネーとして使用できる磁気カードのこと。GooglePlay、AppStore、LINEなど各ストアなどで利用可能なプリペイドカードは、多くのコンビニで購入することができる。

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