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2016/08/29   
i-フィルター   

スマホのルールを大人が一方的に決めるのはダメ。では具体的にどうすればいいの?

大人が一方的に決めたルールは結局守られない

弊社では自治体や学校からの依頼でスマホのルール作りのお手伝いをすることもあるのですが、スマホのルール作りというと、まず出てくるのが「利用時間」の話です。しかし、子どもを守りたいという気持ちからであっても、大人が一方的に

「スマホの利用は○時まで」

と決めてしまい、結局そのルールが子どもたちに守られないというケースも多く見られます。子どもたちからすれば、自分たちの生活に合っていないルールを押し付けられているためです。このような状況を避けるためには、子どもたちに「自分たちのスマホの使い方の振り返り」をしてもらうことが有効です。

5分でできるスマホの使い方の振り返り

弊社の情報モラルの講演の中でも、5分程度でスマホの使い方の振り返りをしてもらうことがあります。その手順をご紹介すると、まず、子どもたちに以下の質問をします。

Q.この中で1度でもやったことがあるのはどれ?
  • (1)お風呂でスマホを使う
  • (2)トイレでスマホを使う
  • (3)布団やベッドの中でスマホを使う

対象は中学生が多いのですが、お風呂でスマホを使ったことがある子は約2割、トイレでスマホを使ったことがある子は約5割、布団やベッドの中でスマホを使ったことがある子は約8割となることが多く、全国どこでもこの割合はあまり変わりません。皆さんの感覚でも、布団やベッドの中でスマホを使う子が最も多いことには納得感があるのではないでしょうか。

続いて、もうひとつ質問をします。

Q.この中で、1番良くないと思うのはどれ?
  • (1)お風呂でスマホを使う
  • (2)トイレでスマホを使う
  • (3)布団やベッドの中でスマホを使う

すると、「(1)お風呂」や「(2)トイレ」で手を挙げる子も多少はいるものの、9割以上の子が「(3)布団やベッド」で手を挙げます。子どもたちにその理由を聞くと、

『 ゲームやSNSを止められなくて睡眠不足になるから 』
『 暗い所でスマホを見ると目が悪くなるから 』
『 ブルーライトで睡眠の質が悪くなるから 』

と非常に立派なことを次々と言ってくれます。つまり、布団やベッドの中でスマホを使ってしまっているものの、その弊害もきちんと理解している訳です。

狙いは「具体的な弊害の認識」と「友達との課題の共有」

上記の質問には狙いが2つあります。
1つは、「布団やベッドの中でスマホを使うことそのもの」が悪いと言うよりも、「睡眠不足」や「視力低下」などの具体的な弊害を認識してもらうことです。そしてもう1つは、「自分だけではなく周りの友達も同じ課題意識を持っている」ということに気付いてもらうことです。

テレビ、ゲーム、インターネット、スマホなどは、それ自体が悪者にされてしまうことが多く、また、大人はそれらから子どもを遠ざけるためのルールを作ってしまいがちです。しかし、共通の課題意識を持っている子ども同士が、具体的な弊害を意識しながらルールを考えることで、スマホやインターネットを必要に応じて使いながらも、具体的な弊害を防ぐためのルールを作ることができるのではないかと考えています。

実際、とある市の中学生が話し合った際には、

  • 「 各家庭で塾や習い事も違うから、一律にスマホは○時までと決められない。
      時間は各家庭で決めればいい 」
  • 「 でも、布団の中でスマホをだらだらと使っているのは良くない。
      その時間は、例えば読書とかをした方がいい 」

といった議論の結果、

「 利用時間は各家庭で決めて、寝る前のSNSの時間を違うことに使おう 」

というルールが出来上がりました。

問題のポイントは「寝る前のスマホの使い方」だということに気付き、しかしそこで単純にスマホ禁止とするのではなく、「その時間は違うことをしよう」という前向きなルールになったことは、子ども自身が生活を振り返って話し合ったからこそだと思います。

なお、弊社の「i-フィルター」は、ルールを子どもがきちんと守るための補助ツールとしてもお使いいただけます。上記のような話し合いの結果、各家庭で利用時間を決めたのであれば、フィルタリングでお子さまの端末の利用時間を設定することができます。また、何かしらのサイトやアプリを使わないというルールを作ったのであれば、フィルタリングでそれらをブロックすることもできます。ぜひ一度体験してみてください。
<政策担当 チーフエバンジェリスト:工藤>

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