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2017/07/14   
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ランサムウェア作成の容疑で中学生が逮捕、“カジュアル犯罪”に周囲は注意を

ランサムウェア作成の容疑で中学生が逮捕、“カジュアル犯罪”に周囲は注意を

近年スマートフォンが普及したことで、青少年もインターネットに日常的に接するようになりました。たとえば、総務省が6月8日に発表した通信利用動向の調査データによると、5年前と比較して、6歳~12歳の低年齢層でインターネットの利用率が大きく上昇しています(2011年:61.6%→2016年:82.6%)。

これにつれて、青少年もサイバー犯罪の危機にさらされるようになりました。具体的には、個人情報の流出や不正アプリによるウイルス感染、ソーシャルアカウントの乗っ取りといった事例が発生しています。こうした事例の大部分で、青少年側は“被害者”の立場でしたが、ここ最近は、青少年側がサイバー犯罪の“加害者”となる事例も発生しています。

この6月にも、青少年によるサイバー犯罪事例が相次いで報道されました。まず6月5日、大阪府の中学3年生(14歳)が神奈川県警に逮捕されました。容疑は「不正指令電磁的記録作成・保管」で、この中学生はランサムウェアを自分で作成したとされています。ランサムウェアの作成容疑での逮捕は、未成年・成年を問わず全国初でした。その後の調査で、感染を拡大させる仕組みはなく、特定フォルダを暗号化するだけの稚拙なソフトだったことが判明しましたが、「未成年によるランサムウェア作成」ということで、世間に大きな衝撃を与えました。

さらに6月20日には、千葉県の定時制高校2年生(16歳)が、フィッシングサイトを開設したとして、「不正アクセス禁止法違反」の容疑で逮捕されました。こちらは、Twitterに似た偽サイトを作成し、知人などにアクセスさせ、アカウント情報を詐取したと見られています。なお逮捕時に押収されたパソコンからは、悪用するために保管していたと見られるウイルスも確認されたとのことです。

これら2つの事例に共通するのは、良くも悪くも“犯罪だという意識が希薄である点”でしょう。逮捕された少年たちは、動機についてそれぞれ「自分の技術の力試しをしたかった」「ハッカーに憧れていた」といった理由をあげています。実際、作られたプログラムやサイトは単純なもので、いわゆる“プロの犯行”とはほど遠い水準でした。しかし、「“仲間内での腕自慢”といったカジュアルな感覚で、身近なテクノロジーを駆使したら、青少年非行を飛び越えて、サイバー犯罪が成立してしまった」という現状は、非常に危ういと言えます。

インターネットは開かれた世界であり、一般社会と同じです。保護者においては、自身の子どもがインターネットを利用している時に、どういうサイトを見ているか、日々どういう情報に接しているか、どういった投稿を行っているかなど、できるだけ注意を払うのが望ましいでしょう。

<記事提供元:株式会社イード>

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