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2017/11/08   
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2018年度の政府予算、サイバーセキュリティに720億円超を投じる サイバーテロやモバイル拡大も視野に

2018年度の政府予算、サイバーセキュリティに720億円超を投じる サイバーテロやモバイル拡大も視野に

今年の日本の経済・政治は、さまざまに不透明な状況が続いています。国内では解散総選挙が10月に実施され、将来も含めた体制づくりが模索されています。国外では、北朝鮮によるミサイル発射を受け、国際的な緊張が高まっています。ここ数年の国際的なサイバー攻撃においては、同国の関与が推測されており、サイバーセキュリティにおいても予断は許されない状況だと言えるでしょう。

そうした一方で、日本政府は来年2018年度の予算編成を進めています。これについて、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は9月20日、政府のサイバーセキュリティに関する予算(2018年度予算概算要求)を取りまとめたPDFファイルを公開しました。このファイルは、各省庁の概算要求、および施策例をとりまとめた内容で、現時点での日本政府のサイバーセキュリティ戦略を端的に示していると言えるでしょう。

まず、サイバーセキュリティに関する2018年度(平成30年度)予算の概算要求額は、政府全体で727.5億円(前年度当初予算額598.9億円)と算出されました。サイバーセキュリティ関連予算は、当初額で2015年度:325.8億円、2016年度:498.3億円、2017年度:598.9億円と、ここ数年増加が続いており、今回も過去最高額を更新しています。

省庁ごとの内訳を見ると、金額が大きい施策として以下があげられます(予算額の順)。

  • 経済産業省:情報処理推進機構(IPA)交付金(52.9億円)
  • 内閣官房 :内閣サイバーセキュリティセンター予算(48.9億円)
  • 厚生労働省:組織、ヒト、ルール、システムの観点から情報セキュリティ対策を強化(46.5億円)
  • 防衛省  :移動系システムを標的としたサイバー攻撃対処のための演習環境整備に関する研究(45.4億円)
  • 経済産業省:サイバーセキュリティ経済基盤構築事業(27.0億円)
  • 経済産業省:産業系サイバーセキュリティ推進事業(21.0億円)
  • 文部科学省:高等教育機関におけるセキュリティ人材の育成(20.5億円)
  • 総務省  :ナショナルサイバートレーニングセンターの構築(17億円)
  • 外務省  :情報セキュリティ対策の強化(7.2億円)
  • 警察庁  :デジタルフォレンジック用資機材の増強等(6.7億円)
  • 総務省  :IoTセキュリティ総合対策の推進(6.0億円)
  • 警察庁  :サイバーテロ対策用資機材の増強等(5.9億円)

出典:政府のサイバーセキュリティに関する予算(平成30年度予算概算要求)

これらのうち、防衛省「移動系システム向け研究」および総務省「IoTセキュリティ」は、本年度より初めて登場した施策です。従来の静的・閉域・据置のネットワークだけでなく、動的・広域・モバイル型のネットワークのセキュリティを、強く意識していることが伺えます。こうした傾向は、他省庁の予算使途にも見られ、たとえばNISCは、予算のうち1.9億円を「IoTボット撲滅」に活用する計画です。

また前年度の当初予算との比較では、警察庁「デジタルフォレンジック用資機材」(1.5億円→6.7億円)、経産省「産業系サイバーセキュリティ推進」(11.7億円→21.0億円)、文科省「人材育成」(11.0億円→20.5億円)が、大きく増額しています。それぞれ“増加するサイバー犯罪への対処”“産業システムの防衛”“セキュリティ人材の育成推進”と、将来的なビジョンに基づき、政府が幅広く対応しようとしている様子が見てとれます。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックも控えており、サイバー脅威は今後も増加傾向を見せると思われます。その余波は一般ユーザーにも及ぶため、日常的にセキュリティ意識を高めておくことが大切です。「国家予算のなかで、セキュリティ関連が占める額」のように、「自身の生活費のなかで、セキュリティ関連支出をどれぐらい投入しているか」といった観点で振り返ってみるのもよいでしょう。

< 記事提供元:株式会社イード >

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