Digital Arts News Watch

2013/12/11   
セキュリティ全般   

2013年の三大セキュリティ事件

2013年にニュースを賑わせた、サイバーセキュリティのさまざまな事件をふりかえってみましょう。

エドワード・スノーデンと米国による盗聴、独首相の携帯も盗聴

最初は国際的なスパイ疑惑の話題です。6月6日、アメリカ国防総省の諜報機関であるNSAが、インターネットや電話の盗聴・情報収集を行っていることが、初めて報じられました。3日後、元CIA職員で民間企業からNSAに出向していたエドワード・スノーデン氏が、自身の顔と名前を出して、情報のリーク元であることを認めました。

当初は、同国のIT企業や通信事業者が協力しながら米市民に対して盗聴を行っていることが問題となりましたが、各国の在米公館や国連本部が対象になっていたことも判明しています。10月には独メルケル首相の携帯電話も米国の盗聴の対象となっていたことが暴露されました。これを皮切りに、他の同盟国の要人の監視についても取りざたされ、外交問題に発展しています。その後も、新事実が次々と暴露されています。

相次ぐWebサーバーへの攻撃、日本が狙われています

次は日本の話題です。日本のセキュリティ事件の調整機関であるJPCERT/CCによると、5月以降、日本国内のWebサイトへの攻撃件数が急激に増加しています。たとえば正規のWebサイトを改ざんして悪意のあるプログラムを埋め込み、ユーザーのPCに感染させて情報を盗むという攻撃手法があります。また正規のサイトを装って、ID、パスワード、クレジットカード番号などをユーザーに入力させてだまし取るフィッシングサイトもあります。

こういった攻撃は始まりに過ぎず、最終的には盗んだ情報を用いてオンラインバンキングで不正送金するといった、実害をもたらします。警察庁によると、預金が不正に引き出される被害は今年9月20日までに5億5千万円に上っています。特に6月から被害が急増しているとのことで、Web関連の攻撃件数の増加と連動しています。

ツイッターで相次ぐバイトの不祥事、原因は?

最後は番外編です。今年は若者が悪ふざけの様子を収めた写真がたびたびツイッターにアップされ、世間の耳目を集めました。

- アルバイト店員がアイスクリーム用の冷凍ケースに寝そべる写真
- 寿司チェーン店で醤油差しに口を付けるお客の写真
- 大阪のレジャー施設の乗物から身を乗り出している写真
- 運転中のバスの後部にしがみついている写真

ネットではいまやツイッターが「バカ発見器」と揶揄されるに至っています。若者はなぜこうした振る舞いに走るのでしょうか。仲間内での遊びや肝試しのつもりでも、その代償は少なくありません。学生であれば退学処分や内定取り消し、悪質であれば刑事事件や損害賠償の請求など、法的責任を問われます。犯人を特定してネットで暴露されることもあり、そうなれば記録が消えずに残ってしまうでしょう。一方で、店舗が閉店にまで追い込まれるなど、被害者側の負担も計り知れないほど大きいものとなっています。

カメラ付き端末とSNSのおかげで、いまや誰でも簡単に記事や写真を全世界に向けて公開できるようになりましたが、教育を含め、社会の側は対応は遅れているようです。
<記事提供元:株式会社イード>