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2014/03/14   
i-FILTER ブラウザー&クラウド   

3年後、企業のITセキュリティはどうなっているでしょうか?

今から3年後の2017年には、企業のIT環境はどう変化しているでしょうか。技術革新や法整備、ワークスタイルの多様化などにより企業のIT環境も変化し、必要とされるセキュリティのあり方も変わっているはずです。

タブレット端末とスマートフォンの利用形態が変化

2016年度にはタブレット端末の国内出荷台数がノートPC端末を超える(※1)との市場予測データがあります。法人向け市場の比率は、2013年度では8.6%ですが、2016年度には12.9%に上昇(※1)し、ノートPC端末からの置き換えが加速していくと考えられます。

■ノートPC端末に置き換わったタブレット端末で、ユーザーはどんな業務をするでしょうか?

現在タブレット端末の主流な使い方としては、デジタルカタログの閲覧やWeb会議での利用、Webサイトの閲覧など主に『閲覧』を用途としたライトユースなケースですが、ノートPC端末から置き換えられると、ノートPC端末がこれまで担ってきた資料の修正や商談報告の作成、長文のメールの返信など『編集』を用途としたヘビーユースに変わらなければなりません。

■会社はスマートフォンの貸与を続けるでしょうか?

現在スマートフォンは電話やメールの閲覧・簡易な返信、グループウェア・ワークフローなどの迅速な対応が求められる一部の情報系システムの閲覧・書き込みに主に利用されていますが、スマートフォンが担う内容は変わらないと考えられます。しかし、2017年からBYODが本格普及(※2)すると予測される中、このライトユースにしか使われないスマートフォンを企業が端末代金を負担して従業員に配布するでしょうか?公私分計を軸としたBYODソリューションを選択する企業が増えるのではないでしょうか。
(※2)出典:野村総合研究所「2018年度までのITロードマップ」

■ウェアラブルデバイスの台頭

BYOD端末のスマートフォンが当たり前の時代になると、一部の先進的な従業員からスマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスもBYOD利用させて欲しいと情報システム管理者は言われるかもしれません。2016年からウェアラブルデバイスが本格普及(※3)すると予測されていますが、今年2014年はAppleの「iWatch」や、指輪型のウェアラブルガジェット「Ring」がリリースされる可能性があります。もしかしたら2016年を待たずに、ウェアラブルデバイスを身に着けた人が街中に溢れるかもしれません。

直近のウェアラブルデバイスでは、スマートフォンをゲートウェイとして新着情報を通知したりスマートフォンに指示を与えるための機能が搭載予定のようですが、いずれはスマートフォンの機能自体がウェアラブルデバイスに一元化され、スマートフォンは必要なくなっていくと考えられます。
(※3)出典:矢野経済研究所「2013年版 スマートフォン連携サービス・機器市場展望」

●まとめ
・ノートPCがタブレット端末に置き換わり、タブレット端末で編集業務まで担う。
・社給のスマートフォンはBYOD端末に置き換わり、将来的にはウェアラブルデバイスに統合へ。

デスクトップの仮想化とデータの一元化

タブレット端末でノートPC端末と同様の業務をしようとすると、ある程度のストレージ容量が必要になりますが、これはタブレット端末の軽量化の障害となります。また、システムエンジニアのようにある程度のマシンスペックを要する職種では社内ではデスクトップPC端末を利用しつつ、外出時にはタブレット端末で業務を行うため、データが二重化されたり、情報システム管理者が複数の端末を管理しなければなりません。

いずれも解決できる技術としてデスクトップの仮想化(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)があります。デスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約するため、ユーザーはタブレット端末やデスクトップPC端末からネットワークを通じて接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作します。データはサーバー上に一元的に残るため、タブレット端末はシンクライアント端末で十分となります。

最近ではクラウドの時流に乗り、VDIをクラウドサービスとして提供するDaaS(Desktop as a Service)も増えてきており、2016年のDaaS市場規模は約74億円(※4)になる見込みです。

3年後のセキュリティ環境

上述の予測のようにIT環境が変化すると、ITセキュリティはどのように変化していくでしょうか?エンドポイントで担保しているセキュリティは、VDIが普及することでゲートウェイでの一元的なセキュリティと接続するネットワークの暗号化などの強化に取って代わると考えられます。

Webフィルタリングはどうなるでしょうか?VDIが普及することでタブレット端末からVPNなどで社内システムに接続する方式が増える一方で、タブレット端末には元々4G/LTE/WiFi環境などでWebサイトの閲覧ができるため、Webフィルタリングはエンドポイントで担保する方式は残り続けると考えられます。

タブレット端末以外のBYOD端末については、プライベートなWebサイトの閲覧のためWebフィルタリングやログ取得はユーザーが嫌うため導入はありえません。また、盗難・紛失時に端末自体を初期化してしまうMDM(Mobile Device Management)もユーザーが嫌うためMDMの導入も難しいです。とはいえ、BYOD端末から一部の情報系システムを利用する上で情報漏洩対策は必須です。そのため、公私分計のBYODソリューションを導入することで、アプリケーション単位で初期化できるMAM(Mobile Application Management)や端末に社内システムの情報を残させないセキュアブラウザー、情報を暗号化して端末内の特定の領域に格納するコンテナ化の機能を搭載したアプリケーションでBYOD端末の情報漏洩対策をする時代になると予想されます。もちろんウェアラブルデバイスといった新しいデバイスへの対応も必要です。

Webフィルタリングとセキュアブラウザーの両機能を持つ「i-FILTER ブラウザー&クラウド」とゲートウェイでWebフィルタリングを提供する「i-FILTER Proxy Server / i-FILTER ICAP Server」は、これらの市場の動きを踏まえ、今後ともより良い製品に向けて開発を行ってまいります。
<「i-FILTER ブラウザー&クラウド」製品担当:遠藤>

「i-FILTER」と「i-FILTER ブラウザー&クラウド」の詳細は製品紹介ページをご確認ください。

「i-FILTER」Ver.9クラウド型Webフィルタリングサービス i-FILTER ブラウザー&クラウド