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2015/03/11   
i-FILTER   

「i-FILTER」の導入前に考えておきたいこと<HTTPS(SSL)編>

前回は、『「i-FILTER」の導入前に考えておきたいこと<時間割編>』をご案内させていただきました。 おさらいをすると、グループごとの、フィルタールールを時間、曜日、祝日も考慮して柔軟に設計することができるという内容でした。

今回は、安全な情報通信のためにほとんどのWebサービスで利用されている、HTTPS(SSL)通信における「i-FILTER」の動作をご紹介いたします。『常時SSL化でも「Let It Go~ありのままで~」』でご紹介しているSSL化時代の内容を、少しだけ掘り下げた内容となっています。

昨今は、検索サイトでの検索キーワードも暗号化されるなど、急速にWebサイトやWebサービスのSSL化が進行しています。しかし、暗号化されたHTTPS(SSL)通信は、企業の管理者にとっては従業員が不正な書き込みや、企業の重要なファイルをオンラインストレージにアップロードされても検知できなくなるなど、情報漏洩の抜け道として悪用される危険もあるため、Webサービスの制御にはHTTPS(SSL)通信の解読(デコード)が必要となります。

はじめに、SNSやWebメール等でHTTPS(SSL)通信が発生した場合の「i-FILTER」の通信イメージを見てみましょう。

下記は、“アクセス先”のSNSやWebメールにブラウザーで接続した際の通信イメージです。

通常のプロキシ経由通信では、クライアントからのconnectメソッドにより、暗号化された内容や“/sns/”などのパス部分を識別することはできません。そのため、ホスト名:「www.example.com」ではカテゴリが判定できず、「i-FILTER」でブロックすることができません。

表1:HTTPS(SSL)通信によるアクセスとフィルタリング
  アクセス先 カテゴリ 管理者の意向
例1 https://www.example.com/sns/ SNS 閲覧禁止(ブロック)
例2 https://www.example.com/webmail/ Webメール 閲覧禁止(ブロック)
  通常のプロキシ経由の通信(イメージ) 「SSL Adapter」ありの場合(イメージ)
例1 CONNECT www.example.com:443 HTTP/1.1
... (以降、暗号化通信)
GET https://www.example.com/sns/ HTTP/1.1
...
例2 CONNECT www.example.com:443 HTTP/1.1
... (以降、暗号化通信)
GET https://www.example.com/webmail/ HTTP/1.1
...

しかしながら、「i-FILTER」Ver.9で標準搭載された「SSL Adapter」では、暗号化されたHTTPS(SSL)通信を解読(デコード)して、Webサービスを制御することが可能です。「SSL Adapter」により、上記の例のとおり“アクセス先”のパス部分まで識別可能となり、「www.example.com」だけでは判別できなかったカテゴリを判別でき、ブロックのアクションを実現します。

また、解読は高負荷な処理となりますが、「i-FILTER」では制御が必要とされるWebサービスだけを解読対象にできるため、通信処理の負荷を抑え、従業員のプライバシーへの配慮も実現します。(スマートSSLデコード)

このように、常時SSL化時代にも対応した「i-FILTER」Ver.9ですが、HTTPS(SSL)通信の解読(デコード)には注意点があります。

ユーザーがHTTPSサイトを閲覧すると、以下のようなWebブラウザーによる警告画面が表示されます。

これは、本来の接続先サイトのホスト名と、「i-FILTER」のサーバー証明書に記されたホスト名が異なるために表示されます。ユーザーは「このサイトの閲覧を続行する」をクリックすれば、Webサイトを閲覧することができますが、「SSL代理証明書発行機能」をご利用いただくことで、警告画面を表示させないようにすることも可能です。

「SSL代理証明書発行機能」につきましては、以下を是非ご参照ください。

●「「i-FILTER」トラブルシューティングガイド | SSL代理証明書とは何ですか
https://www.daj.jp/bs/support/tsg/i-filter/020402/

その他の関連情報も合わせてご覧いただければ幸いです。

●「i-FILTER」トラブルシューティングガイド | HTTPSサイトでのSSL関連機能/動作
https://www.daj.jp/bs/support/tsg/i-filter/#a0204

<テクニカルサポートセンター:早川>

「i-FILTER」Ver.9の詳細は製品紹介ページをご確認ください。

「i-FILTER」Ver.9