事業戦略/事業内容

脅威領域が限定的であった従来のICT環境から、あらゆるデバイスがインターネットに繋がり便利になっていく一方で、ICT環境における情報セキュリティ脅威の領域が拡大していくことを想定し、対策をしていくことが求められています。当社は、ICT環境の不安を取り除く情報セキュリティソリューションの創出を目指し、インターネットアクセスに伴う危険を未然に防止するWebセキュリティ製品「i-FILTER」および安全なメール送受信を実現するメールセキュリティ製品「m-FILTER」の販売を中心とする情報セキュリティ事業を、企業・公共(官公庁・学校など)・家庭向け市場に対して展開をしてまいりました。「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」という理念のもと、今後も、これまで培ってきた技術を活かし、社会課題を解決するためのさまざまな情報セキュリティソリューションを創出することで、当社グループの中長期的な成長を実現してまいります。

事業内容

当社は、企業・公共(官公庁・学校など)・家庭向け市場に各種情報セキュリティソリューションを提供しております。主力製品の国内シェアは、「i-FILTER」が55%以上※1、「m-FILTER」が60%以上※2を占め、市場の成長を牽引しており、製品の継続利用の割合は約90%※3と高水準を維持しています。そのほか、IRMソリューション「FinalCode」や、IDaaSソリューション「StartIn」、DLP・ファイル転送ソリューション「f-FILTER」、家庭向けのフィルタリングソリューション「i-フィルター」などの幅広い製品ラインアップで、企業や官公庁・学校、個人・家庭における情報セキュリティ対策ニーズに対して、強固なセキュリティ環境を提供しています。また、足元では「i-FILTER」の機能強化を行うことで、次世代セキュアWebゲートウェイとしてお客様のより広範囲なセキュリティ対策ニーズに応えるための製品戦略を展開しています。

  • ※1 ITR「ITR Market View:サイバー・セキュリティ対策市場2023」SaaS型URLフィルタリング市場:ベンダー別売上金額シェア(2021年度)(2023年5月発行)
  • ※2 デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「内部脅威対策ソリューション市場の現状と将来展望 2023年度(https://mic-r.co.jp/mr/03010/)」電子メールフィルタリング・アーカイブツール出荷本数(社数)(2022年度)(2024年2月発行)
  • ※3 自社調べ

企業向け市場

企業向け市場においては、SaaS利用の増加・リモートワークの定着に伴うクラウド環境におけるセキュリティ対策や、PPAP対策、ランサムウェアなどのマルウェア感染対策など、多様かつ旺盛な対策ニーズが継続的に見込まれています。このようなニーズに対して、「i-FILTER」や「m-FILTER」、「FinalCode」の強固かつ柔軟なセキュリティ対策機能や、国産メーカーならではのサポート体制などが評価され、順調に事業拡大をしております。

  • ※メールにパスワード付きZIPファイルを添付し、送信することによるセキュリティの問題
企業向け市場売上高グラフ

公共向け市場

官公庁・自治体は、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」など、国の定めた対策基準を満たすためにセキュリティ対策製品を計画的に調達します。そこで、官公庁・自治体においては、対策基準やセキュリティ認証を満たすための機能強化を継続的に行うことで、「i-FILTER」・「m-FILTER」を中心に全国各地で製品採用が進んでおります。また、教育委員会・学校においては、2019年12月に文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」の実現のために、1人1台の情報端末が全国の小学校と中学校に配備されたことをきっかけに、今までにない規模の情報端末に対するフィルタリング対策ニーズが創出されました。教育現場の安心・安全な学習環境を実現するために「i-FILTER」の特別ラインアップ提供と、継続的な機能強化・啓蒙活動を行うことで、有償フィルタリング導入済み教育委員会の半数以上からお引き合いをいただくなど、製品採用が進んでおります。

  • ※フィルタリング対策済みの教育委員会関係者へのヒアリング結果(2023年9月末 自社調べ)
公共向け市場売上高グラフ

家庭向け市場

家庭向け市場においては、インターネットの普及率が向上した結果、子どもたちにとってもインターネットが非常に身近になった一方で、子どもたちが不適切なインターネット利用により犯罪に巻き込まれていることが社会問題化しています。このような課題に対して改正された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法)」の推進のため、携帯電話事業者やMVNO事業者などと連携を行い、「i-フィルター」を全国の家庭に提供をしております。

家庭向け市場売上高グラフ