2021年09月29日
デジタルアーツ株式会社

フィルタリング未導入の教育委員会は約3割-デジタルアーツ独自調査
GIGAスクール端末の利用ルール整備など、子どもを見守る対策が急務
適切な端末利用のためにフィルタリングを導入した教育委員会の先生方の声をご紹介

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、GIGAスクール構想における1人1台端末のフィルタリング導入状況を調査しました。あわせてデジタルアーツのWebフィルタリング製品「i-FILTER@Cloud」を運用している教育委員会の導入事例を発表します。

全国の児童・生徒に1人1台端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」。端末導入は2020年度内にほとんどの学校で完了していますが、現在、導入した1人1台端末をどのように活用するのかという「アフターGIGA」が注目されています。運用にあたっては、児童・生徒を教育上不適切なサイトや危険なサイトへのアクセス、インターネットの長時間利用から守るほか、先生や保護者が安心して子供たちに端末を利用させるためにも、端末利用の制御やセキュリティの導入は必要不可欠です。

9月には、東京都内の小学生女児がGIGAスクール構想で配布された端末などでいじめを受けたことにより自殺をするという痛ましい事件が明らかになりました。女児は、学校で配られたGIGAスクール端末のチャット上で悪口を書かれるなどのいじめに遭っていたといいます。当該自治体では、GIGAスクール端末の利用については子どもの自主性に任せており、また端末のパスワードも全児童同一のもので、他の児童の書き込みを簡単に見られる状態だったことなども報道で明らかとなっています。
人間関係やコミュニケーションについても発達段階であり、インターネットリテラシーも未熟な子どもたちが、安全にGIGAスクール端末を利用するにはどのような対策を取れば良いのでしょうか?こうした事件が再び起きないよう、利用ルールの整備など子どもを見守る対策は急務となっています。

フィルタリング未導入の自治体は約3割、児童・生徒による端末利用の安全性確保は急務

デジタルアーツが2021年3月に実施した教育委員会へのヒアリング結果によると、GIGAスクール端末についてフィルタリング対策済みの教育委員会は約7割であることがわかりました。多くの教育委員会がフィルタリング対策済みである一方、フィルタリング対策をしていない教育委員会は約2割、無償フィルタリングで対処している教育委員会は1割という結果になりました。

無償フィルタリングとは主にOSに搭載されているフィルタリングを指しています。無償フィルタリングは主にアダルトコンテンツのブロックを目的としており、どのコンテンツをブロックするかはOS事業者のみに任されています。このため、アダルトコンテンツ以外の犯罪・暴力などの有害情報や脅威情報サイト等のブロックは管理者が一つ一つ手作業で登録しなければなりません。このように有害コンテンツを網羅することや、YouTubeを教育用コンテンツのみに限るといったWebサービスの柔軟な制御、利用時間の制限など細かな設定を行うことは、専門のセキュリティメーカーでなければ困難であるため、学習用端末として適切に運用するには無償フィルタリングでは厳しい面があります。

いじめに関する書き込みを禁止する「POST制御」や「Webサービス制御」のほか、「子ども見守りシステム」も搭載

デジタルアーツのWebセキュリティ製品「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版(以下、「i-FILTER@Cloud」)は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全に・かつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。
また、文部科学省がGIGAスクール構想で推奨する3OSすべてで、児童・生徒による裏掲示板やSNSサイトへの書き込み、端末搭載のカメラで撮影した写真のアップロードを制御する「POST制御」機能が利用できます。これにより、児童・生徒が端末を私的に利用し、学習に関係のない使い方やいじめなどにつながる書き込みを防ぐことができます。また、書き込み自体は禁止せずに、チャットや掲示板への投稿時に特定の文言が投稿内容に含まれていた時にブロックすることも可能です。「Webサービス制御」では、Webサービスごとに「ログイン、書き込み、アップロード、ダウンロード」等の機能を制御することが可能です。

このほか、教育現場を支援する付随サービスとして提供している「子ども見守りシステム」では、生徒が自分の端末から自殺関連サイトへアクセスした際、「i-FILTER@Cloud」でブロックすると同時に指定された教職員もしくは教育委員会へメールでのアラート通知が実施されます。これまでは気が付くことができなかった自殺関連サイトへのアクセスを試みた悩みを抱える生徒を発見することが可能となります。生徒の悩みがさらに深刻化する前にいち早く心のケアをすることで、子どもたちの命を守るための「見守り警報」としての効果が期待できます。

フィルタリング導入した教育委員会の声――「子どもを被害者にも加害者にもしたくない」子どもを見守る必要性を強調

デジタルアーツは、今回のGIGAスクール構想に対応した「i-FILTER@Cloud」を採用した教育委員会の声を導入事例として10月以降順次公開します。フィルタリング対策を実施していない教育委員会もある中、「i-FILTER@Cloud」を導入した教育委員会の先生方からは以下のような声が挙がっています。

▼「子どもたちが自殺や犯罪など命に係わる有害サイトにアクセスできたり、SNSでトラブルが起きてしまうようなことがあってはなりません」「子どもたちの安全と教員の負担軽減のツールとしてフィルタリングが必須です」

▼「まずは不安を取り除かないとICTは現場で使われません。子どもたちを危険から守るには、注意喚起の言葉やルールだけで止めるのはむずかしく、仕組みで止めることが重要だと考えフィルタリングを導入しています」「すべての教員は“子どもたちを被害者にも、加害者にもしたくない”と思っており、子どもたちが危ないところにいこうとするのを止められることが大事です」

▼「端末を授業でしっかり活用するには、一定の制限は必要です」「何よりフィルタリングの有無は保護者も気にしており、子どもたちがしっかり守られているのかと心配する声もあります」

▼「どのサイトをブロックしているのかなどを教育現場がきちんと把握し、柔軟にフィルタリングをかけることが必要だと判断しました」「保護者としても心配な部分が多いと思うので、不安要素は取り除いた方が良いと考えています」

▼「子どもたちが何を見ているか分からないという不安を先生方が持ってしまうと、端末を使わない方向にも進みかねません」「先生方が安心して初めて、子どもたちが自由に活用できると思いますし、また当初から持ち帰り学習も視野に入れていたので、フィルタリングは必須だと考えていました」

▼「コロナ禍のオンライン授業をきっかけに、持ち帰り学習は当たり前だと考えるようになり、家庭でも安心・安全にタブレット端末を使えるよう、フィルタリングの環境を整備する必要が出てきました」「フィルタリングは単なる規制ではなく、子どもたちの見守りのために必要だと思うようになりました」

▼「理想としては子どもたちが自由に端末を使えることも大事だと思いますが、適切に判断できるようになるためには知識も経験も必要です」「自由な環境は教育活動でいろんな実践ができると感じる先生がいる一方、“子どもたちが危険なサイトにアクセスしないか”、“学習以外で使うのではないか”と不安に思う先生もいます。安全性を守り、先生方の積極的な活用を促すために、フィルタリングの導入は不可欠と考えました」

■導入事例のURLはこちら

※株式会社富士キメラ総研「2020 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2019年度)(2020年11月発行)

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
1995年の創業以来、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」を企業理念とし、情報漏えい対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する最先端の製品を、企業・官公庁・学校・家庭向けに提供しています。
https://www.daj.jp