産業盛んなベットタウンの中枢
春日井市役所の情報リテラシーを高めたい
濃尾平野と尾張丘陵が広がる春日井市は、名古屋市北部に位置する中堅都市です。二子山古墳をはじめとした遺跡から古くから人が住んでいたことがわかっており、現在も高蔵寺ニュータウンなどの大規模団地を有するなど、名古屋市のベッドタウンとして発展しています。主な産業として、生産量日本一の実生サボテンをはじめ、果樹園が盛んなほか、大手企業の工場や大手チェーン店の本社もあり、農工商ともに活発な発展を続けています。その市民生活の中枢を支え続けているのが、春日井市役所です。
春日井市役所がセキュリティの強化を検討しはじめたのは、2008年のことでした。
「世間的に個人情報漏洩などの問題がさかんに取り上げられていた頃のことです。業務でメールを使用することも多いため、すでに当市役所でも情報セキュリティの強化を図るべく、情報リテラシー教育を職員に行なっていました。しかし職員のスキルは千差万別で、一律のレベルまで引き上げることに限界を感じていたところでした」。
課長補佐である木下氏は当時を振り返ります。
人的ミスによる情報漏洩を防ぐべく
実績名高い「m-FILTER」導入を決定
確かに初めてメールを使う人に対して、最初からセキュリティを考慮した使用法を徹底させることは難しいものです。
そこで春日井市役所は、システム側で制御できるメールセキュリティソリューション導入の検討を行いました。「まずは近隣の役所に電話して、どのアプリケーションを使っているのかを問い合わせました。そこでもっとも多く名前が上がったのが「m-FILTER」だったのです。それぞれの使い方などを詳しく聞き、また使用しているサーバとの連携の面から考えても、ほかに候補はありませんでした。いかにして「m-FILTER」導入を認めてもらうかに絞った企画書を作成したことを覚えています。当方は役所ですから、高い効果を望めなければ導入できません」(木下氏)。
こうしてパソコンのリプレースタイミングに合わせて2008年にまず「m-FILTER」を導入しました。その後Webフィルタリングに関しても既存製品に不満があったため、「i-FILTER」にリプレースをしました。
「i-FILTER」との出会いで
より効率の高いフィルタリングを実現
当初、誤送信などを防ぐメールセキュリティ対策のみを考えていたという春日井市役所。「m-FILTER」導入には積極的だった一方、「i-FILTER」導入は視野になかったそうです。「すでに他社のフィルタリングソフトを使用していたためです。しかし導入の準備を進めるうちに、「i-FILTER」に変えたほうがコスト面でも実務上でもさらなる効率向上が狙えることを知りました。そしてちょうどよく使用中の製品が更新のタイミングとなったので、両方ともデジタルアーツの製品を導入することになりました」。導入の経緯を、木下氏は語ります。
導入後、実際に使用してみて変わったことはあったのでしょうか。
「以前使用していたフィルタリングソフトでは、実運用に沿った設定が満足に出来ず、運用負荷が高くなっていました。しかし「i-FILTER」導入以降は、ドメインやグループ単位の設定ができるだけでなく、部署ごとのレベル指定など、本当に詳細な設定ができるようになりました。管理画面もとてもわかりやすく、かつ使いやすいです。作業効率や管理の効率は明らかに上がっています」(木下氏)。
独自ルールを設定し「m-FILTER」をフル活用
現在、春日井市役所では、当初の狙い通り「m-FILTER」をフル活用されているのだとか。実際にどのような設定を行なっているのでしょうか。
「まずはメールアドレスという個人情報を漏洩させないよう、メールを複数送信する際、通常の宛先やCCは3人以上設定できないようにしました。セキュリティの観点からすると微妙な設定なのでその他にも、添付ファイルの容量を部署ごとに変えるなどの設定も行なっています。また、メールは即時送信せず、5分間サーバ内に止めておき、もし間違えて送ってしまった場合は、管理者が介入することなく職員自身がすぐに送信を止めることができる機能も活用させていただいています」(若杉氏)。
さらに、メール運用のリテラシーについても、かなり意識を高めることができたといいます。「運用ルールに違反していたメールは「m-FILTER」が送信を止めてくれます。その際、ただ止めるだけではなく、送信できなかった理由を職員に直接メールでお知らせしてくれるのです。そのため、こちらで細かく指導しなくても、どうしたら良いのかを自ら学んでくれます。」(木下氏)。職員の情報リテラシーは、「m-FILTER」によってかなり向上したようです。
安全なネットワーク環境の実現と、さらなるコンプライアンス浸透を目指す
自動的な暗号化や利用制限を行うことで、使用者にセキュリティを意識させることなく、安全にメールを使用できるようにする「m-FILTER」。その他にも利点がありました。「以前使用していた製品はコマンド入力の必要があったため、私のようなシステム運用の経験が少ない者ではとても使いこなすことはできなかっただろうと思います。でも「m-FILTER」や「i-FILTER」は設定もわかりやすく、悩むことは一切ありません。詳細な設定も直感的に簡単に行えますから、引き継ぎも簡単に行えます」(若杉氏)。部署異動が多く、専門知識がない者がシステム課に配属されることもある役所内では、大きな利点となりました。
止めてはならないシステムをより便利にかつ安全に使用するため、春日井市役所では常に先進の技術を見つめながら対処しています。「m-FILTER」や「i-FILTER」もその業務を支えるべく、これからもさらなる進化を続けます。
【ご当地キャラ】人と文化を未来へつなげる春日井市をゆるキャラがPR
平安時代前期に活躍した能書家 小野道風の出身地と伝えられており、また実生サボテン生産量が日本一である春日井市。そこで同市は、小野道風とサボテンをモチーフにしたゆるキャラ『道風くん』と春日井市サボテンイメージキャラクター『春代』『日丸』『井之介』を制作し、PR活動を行なっています。
なかでも『道風くん』は、2010年に開催されたゆるキャラまつりin彦根市にも参加。平成25年に行われる市政70周年記念事業のため公募された、記念事業共通のロゴマークにも採用されました。地元だけにとどまらず、その知名度と活動の場を大きく広げています。