採用の決め手は、クラウドメールとの親和性
「m-FILTER@Cloud」の登場により導入が一気に加速
東京都港区に本社を構えるサイオステクノロジー株式会社では、Googleのメールシステム(現G Suite)を利用しています。また、積極的にパブリッククラウドを活用した社内ITシステムの構築や、SFA分野におけるクラウドサービスの活用など、クラウドをベースにしたIT環境の整備を推進しています。
システムを活用しない人為的な誤送信防止対応では情報漏洩対策としては不十分のため、メールセキュリティ製品の導入を検討していました。過去、オンプレミス版の「m-FILTER」も検討はしましたが、サイオスグループのクラウドを利用したIT環境には適していなかったため、導入には至りませんでした。
その後、2018年5月に、「DigitalArts@Cloud」の提供が開始されたことから、10月より再度検討を開始し、12月に「DigitalArts@Cloud」の製品のひとつである「m-FILTER@Cloud」を契約しました。「m-FILTER@Cloud」を採用した理由を、サイオス株式会社の情報セキュリティ責任者でもある取締役 兼 専務執行役員の大塚厚志氏は、次のように語ります。
「上場会社グループのIT基盤には、信頼性があることが不可欠です。そして、メールシステムは基幹システムと同様に非常に重要で、影響のあるシステムであることはご存知のとおりです。また当社では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001:2013)の認証に加え、個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001:2006)をアドオン認証しており、社員教育や内部監査など様々な手段で情報管理体制を強化しています。
しかしながら、社員のITリテラシーには個人差があるため、メール操作による誤送信を防ぐためには、きめ細やかな設定によりセキュリティを確保しながら、利用者の利便性も確保することが必要でした。クラウドサービスの『m-FILTER@Cloud』は、情報システム部に過度の運用負担を掛けることなく、上記要求を十分に満たしているサービスと判断し導入を決定しました。
また、誤送信対策だけでなく外部からの攻撃メール対策も標準機能で実施できるのも高く評価しています。特に、ホワイトリストDBを利用する仕組みで安全なメールだけを受信できる他にはない機能で、ITリテラシーが高くない従業員でも安心してメールを開ける環境を提供できることも大きなメリットと感じています」
添付ファイルの情報漏洩対策
トランザクション増加によるリスク管理
ファイルを添付したメールの送信に関して、G Suiteではメールを送る時間を遅らせる機能や送り先に注意を促す程度の機能しかないため、増え続けるトランザクション量において添付ファイルを安全に送信するために管理上のリスクを抱えていました。サイオス株式会社の営業管理部 部長である左雲昌樹氏は、次のように語ります。
「お客様に資料を添付してメールを送信する場合、資料をPDFに変換し、パスワードを設定して送信。その後、別のメールでパスワードを知らせる運用になっています。しかし、営業部門だけでも、1カ月に数千件を超える添付ファイル付きのメール送信があり、パスワードの固定化運用やパスワード化の徹底など管理面での問題がありました。さらには、トランザクション量と比例した工数が時間外労働などの人件費増加にもなり問題になっていました。
『m-FILTER@Cloud』には、添付ファイルに自動的にパスワードをつけて送信してくれるので、パスワード設定忘れなど人的ミスによる管理上の問題をクリアでき、さらには別メールによるパスワード通知や送信遅延の時間設定の自由度などの機能は従業員や管理者の負担軽減に大きく貢献しています。外部からの攻撃でマルウェア感染した結果、情報漏洩したというインシデントを頻繁に耳にしますが、最近では外部からの攻撃メールは非常に巧妙で正常なメールかの判断が難しくなってきました。今までは従業員の目を通して判断していましたが、その判断に要する工数も大きく問題になっていました。
『m-FILTER@Cloud』を導入することで工数も削減できるだけでなく万が一外部からの攻撃メール(添付ファイル)を開いてしまった場合のマルウェア感染による被害額を想定すると人件費以上の削減ができており、社内から社外への情報漏洩対策と外部からの攻撃メール対策の両方を『m-FILTER@Cloud』だけで実現できることで、本来あるべき『便利なメールの送受信』を取り戻しました」
利用部門ごとに業務ヒアリングを行い、各業務に最適化
運用のポリシーも、部門ごと、グループごとに柔軟に設定
本番導入は、利用部門ごとに段階的に行いました。
段階的な導入をした背景としては、利用部門によりお客様や仕入先の特性の違い、さらに部門によっては、外部クラウドサービス(メールワイズ等)からG Suiteを経由する場合など、「m-FILTER@Cloud」に様々なルールを設定する必要があったからです。
「m-FILTER@Cloud」を導入した効果を大塚氏は、「今回の『m-FILTER@Cloud』導入目的は、利用部門に負担を掛けることなく、セキュリティ対策を強化することでした。そのため、情報システム部では、利用部門ごとにメールを使った業務ヒアリングに時間を掛け、各部門の業務に適した設定とし、また、運用ルールを定めました。『m-FILTER@Cloud』は、機能が豊富で、細かく設定できるため、利用部門ごとの異なる要求に対応することができ、大変助かりました」と語ります。
最後に、大塚氏は、「システムで行えることはシステムで行うことにより社員が安心してインターネットやメールを利用できる情報基盤を提供し、業務に集中できる環境の実現を目指しています。これからもデジタルアーツ社の製品開発力と提案に期待しています」と話しています。