導入事例

ご担当者様の声
教育にICT活用を根付かせるには、柔軟なフィルタリングが必要
兵庫県芦屋市教育委員会 学校教育部 打出教育文化センター 大林 亮氏
兵庫県 芦屋市教育委員会
兵庫県 芦屋市教育委員会
兵庫県南東部に位置する芦屋市は、都市環境整備が進んだ文化住宅都市として知られています。人口95,459人(令和3年9月現在)の同市には、8つの公立小学校と3つの公立中学校があり、6,058人(令和3年5月現在)の児童・生徒が学んでいます。従来より「教育のまち芦屋」を掲げ、「芦屋で学び、育って、本当によかった」と思えるまちづくりを進めてきました。現在も、子どもたちが将来に夢を持ち、経験を積み重ねながら、学びを深め、志をもって自ら未来を切り拓く教育を目指しています。

柔軟なフィルタリングで見守ることが教育現場では必須

芦屋市教育委員会 学校教育部 打出教育文化センター<br />大林 亮氏
芦屋市教育委員会
学校教育部
打出教育文化センター
大林 亮氏

芦屋市では、基礎的な学力や道徳性等に加え、国際化に対応した教育、体育・スポーツ等の健康教育等に力を入れてきましたが、情報教育もデジタルネイティブの要素を身に付けるための重要な学習課題の1つと位置付けています。

2014年度から「タブレット端末協働学習実践事業」として、3か年で市内の小学校に各41台、中学校に各11台、2018年度には新たに中学校に各41台の端末を整備しました。GIGAスクール構想以前から1クラス1台の端末を使った授業を行っていたのです。

これに次いで、GIGAスクール構想における1人1台端末の導入には検討を重ねた結果、小学校低学年から取り扱えるユーザビリティの高いインターフェースやスムーズな操作感、故障率の低さ等を勘案し、iPadを採用しました。2021年1月下旬に「i-FILTER@Cloud」を導入した学習用iPad 6,233台を学校に配備、「懸念点であった初期不良などは少なく、安心して子どもたちに預けることができました」と兵庫県芦屋市教育委員会 学校教育部 打出教育文化センター 大林 亮 主査は語ります。

自由で主体的な学びを推奨するGIGAスクール構想では、子どもたちの学びに制限をかけないよう、OSに付随する最低限のネット制限機能を利用する自治体も多くあります。こうした中、フィルタリングの必要性はどの程度大きかったのでしょうか。

「OSメーカーが提供するフィルタリングでも、指定したサイトをブロックすることは可能ですが、細かな設定が難しいです。どのカテゴリを許可不許可にしているのかなど、市教委を含め教育現場がきちんと把握できることが必要ですし、柔軟に設定を変更できることも学習活動においては大切なことであると考え、セキュリティメーカーのフィルタリング導入を決断しました。また、このサイト閲覧に係るルールに関しては保護者の関心も高く、あまりに自由な部分が大きいと心配になる方も多いと思うので、不安要素を取り除くために、細かくフィルタリングの強弱をかけられた方が良いと考えています」と大林主査。

芦屋市においては、以前から市内小中学校のPC教室や端末などのフィルタリングにオンプレミス版の「i-FILTER Ver.10」が使われていました。このため、コロナ第一波の緊急整備の際にも、操作感が同じで精度にも安心感があること、クラウド版でどの家庭からもフィルタリングが可能で、それに伴う設定変更も容易だったことなどから、「i-FILTER@Cloud」が導入されたのです。このときにスムーズに運用できたことから、iPad 6,233台にも同製品が採用されました。

端末は日常使い オンライン授業配信で別室登校の児童・生徒の活用を進める

授業での端末利用風景
授業での端末利用風景

そんな芦屋市の学校では、学習支援ソフトを授業で活用するほか、「カメラ機能など、授業だけでなく日常的に端末を使っている。休み時間に使っている学校もあるようです」と大林主査。

現場の先生から戸惑いはなかったのでしょうか。
「GIGAスクール構想が出る前から、市内小学校にICT活用推進指定校を定めて人的に支援していましたし、現場の先生は2014年の実践事業のときから端末を使った授業を開始していましたので、端末活用自体のハードルは低かったと思います。また、これは私見ですが、iPhoneやiPadを使っている先生も多かった印象があるので、そこもハードルを下げた要因ではないかと思っています」とのこと。

現在、端末や学習支援ソフトなどの使用方法について、メーカーが現場の先生向けに研修や電話サポートなどを行っているほか、GIGAスクールサポーターが作成した利用方法を紹介する動画や資料を学校の先生がすぐに見られるよう共有したり、ICT支援員等が各校を回りサポートできる体制を整えています。また、学校では情報担当の先生がそれぞれの学校実態に応じたミニ研修を開いたり、必要に応じて教育委員会の担当指導主事などが出前研修を実施したりしています。

こうしたきめ細かな現場との連携が功を奏し、端末の活用は進んでいるようです。また、従来行ってきたオンライン授業ライブ配信も加速しており、現場の先生からは「苦労もあるが、別室登校の子どもの役に立っている」と好評とのこと。特に校長先生からは「授業ライブ配信で、学校に来られる子がいるということに驚いたが、いい取り組みである」という声が聞かれたそうで、今後もオンラインによる授業の可能性を研究していきたい考えです。

デジタルアーツの「推奨フィルター」で見守れる安心感、安全管理もスムーズに行える

「i-FILTER」の管理画面 脅威サイトにアクセスした端末の一覧が表示
「i-FILTER」の管理画面(1)
脅威サイトにアクセスした
端末の一覧が表示
「i-FILTER」の管理画面 各端末のアクセスの詳細が表示
「i-FILTER」の管理画面(2)
各端末のアクセスの詳細が表示

このように端末活用を加速させている芦屋市の教育現場ですが、「i-FILTER@Cloud」はどのように役立っているのでしょうか。

「i-FILTER@Cloud」のメリットは、「推奨フィルター」で常時子どもたちを見守ることができる安心感だと語る大林主査。
「推奨フィルター」とは、デジタルアーツが安全を確認したURLにのみアクセスさせる機能です。安全が確認できていないURLへのアクセスはブロックするため、先生も保護者も安心して自由にインターネット利用をさせることができます。こうした「ホワイトリスト」によるフィルタリングは、必要なURLが見られないといった事象が多発するため、一般的には不便な印象を持たれていますが、デジタルアーツでは長年収集してきた網羅性の高いホワイトリストデータベースが提供できるため、安全かつお客様の負担なく運用いただくことが可能です。この「推奨フィルター」による独自のホワイトリスト方式を、デジタルアーツでは”ホワイト運用“と呼んでおり、芦屋市でもこれを活用しています。「見たいサイトがブロックされる場合は、先生から要望を上げてもらって、教育委員会の方で許可をして見られるようにすることもあります。不具合は今のところないです。あと、「端末隔離機能」も児童生徒を指導する際に役に立っています」

「端末隔離機能」とは、脅威情報サイトにアクセスしてしまった端末を自動的に隔離する機能で、マルウェア感染した可能性のある端末を速やかにネットワークから外し、被害を拡げないための措置です。「隔離された端末は初期化します。基本的には、学校から、市教委へ連絡をしてもらい、安全が確認できてから利用を再開するようにしています。リスク管理対策としても役立っていますね」

ゆくゆくは「Webサービス制御」などを活用して、SNSの閲覧のみ許可することやYouTubeのコンテンツごとに閲覧可とするなど、細かな調整を加えて更に自由に学びを拡げていくことを検討したい考えです。「現在は安全第一で、SNSやYouTubeは原則全てブロックしています。もっと活用が進んで教育現場も子どもたちもこの環境に慣れてきたら、「i-FILTER@Cloud」の機能を活用して柔軟に対応できるようにしたいですね」

端末という「文房具」で、子どもたちが創造的な表現ができるような授業にしたい

子どもたちが変化の激しい時代を生きていくため、芦屋市では従来から主体的に学び続ける姿勢を大切にする授業の創造に取り組んできました。今後は端末というアイテムを使って、こうした学習を発展させていきたいと大林主査は述べています。「先生たちには、”自身がファシリテーターとなって、子どもたち自身の学びを引き出せるような授業を構想してほしい“と伝えています。子どもたちが知らないことやわからないことは教えながら、子どもたち自身が課題に気づき、情報を収集・整理・分析しまとめ、表現できるような単元構想や、子どもたちが協力し合わないと達成できないようなゴールに向かう授業展開を考えていっていただきたいですね。
また、本の活用や図書館教育、地域の人へのインタビューなど、オフラインの学びもこれまで通り重点をおいて継続していきたいと思っています。Web会議などICTの力も使って、自分たちが住む地域やこれからの社会に関する見方・考え方を、今まで以上に広げてもらいたいです」
オンラインによってオフラインの幅も拡げていく、新しい学びが期待できそうです。

「今後は、日常の風景のように何気なく当たり前に,端末を授業で使っていけるような体制ができたらいい」と大林主査は語ります。「文部科学省も提唱している、『文房具』としての使い方ができるようになってほしいですね。今の段階では機能を使いこなすことが重点ですが、今後はそれを使って子どもたちが創造的な表現ができるような授業を目指したいです」芦屋市の創造を育む学びの形で、子どもたちの生き生きとした姿が見られるのが楽しみです。

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