2009年08月19日
慶應義塾大学
デジタルアーツ株式会社

デジタルアーツ、慶應義塾大学と共同で調査を実施
「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」調査結果を発表
~慶應義塾高等学校生を対象に、大学院メディアデザイン研究科がインターネットを安全に利用するための授業を実施後、
ブログの危険性の認識が約40%増加~

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(横浜市港北区)と、情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫)は、慶應義塾高等学校(横浜市港北区)の第一学年全生徒を対象に、「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」を実施し、本日、その結果を公表しました。

本調査は、高校生のインターネット利用実態や意識の把握等を目的として、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科がデジタルアーツ株式会社と共同で調査の企画・実施・分析を行ったものです。

アンケート調査結果のなかで、特に目を引く点は以下のとおりです。

  • 生徒のおよそ1/4がインターネット上のトラブルに遭遇している。
  • ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺に遭ったり、思いがけないグロテスク画像に遭遇したりした生徒は、約半数に上る。
  • インターネット利用に関するルールを親子で設定している場合もそうでない場合も、インターネット上のトラブルに遭遇する割合はいずれも30~40%程度であり、大きな差異はなかった。

また、調査対象の生徒家庭は、90%以上が自宅でパソコンを利用できる環境にあり、25%程度が専用パソコン端末を保有しており、家庭におけるパソコン利用が一般的な状況となっています。そのような中、社会的に大きく報道された「出会い系サイト」などは危険性の認識がすでに生徒へ定着していますが、他方、掲示板サイトやブログなどは危険性の認識が授業後に大きく向上する結果となりました。

今回の調査結果からは、生徒がインターネット上のトラブルに遭遇しないためには、インターネット利用に関するルール設定のほか、フィルタリング導入など何らかの具体的施策の必要性が示唆されるとともに、インターネットのリスクに関する教育の重要性が確認されました。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科及びデジタルアーツ株式会社では、2009年11月までに、子どものインターネット・携帯電話利用に関する保護者の意識調査を実施するとともに、今後、中学生、小学生のインターネット・携帯電話利用に関する利用状況を同様に調査する予定です。また、一連の調査を分析することで、青少年インターネット利用環境に関する政策を提言していく予定です。

アンケート調査結果の注目点

【高校生のインターネット利用実態調査】

  • 携帯電話はほぼ全ての生徒が専用端末1台を所持、パソコンは94%の生徒が家庭で利用している。
  • 家庭でパソコンを利用する生徒の半数以上が、利用に関するルールが特に存在しないと回答している。
  • 両親から、インターネット上のトラブルを回避する方法について教わった経験がある生徒は14.3%、携帯電話利用のトラブルを回避する方法については6.7%にとどまる。
  • 生徒のおよそ1/4が、インターネット上のトラブルに遭遇した経験があり、トラブルに遭遇した生徒の約半数が詐欺行為やグロテスク画像に接触している。
  • パソコンスキルが高く、利用頻度の高い生徒ほどインターネット上のトラブル遭遇率が高い。初級者のトラブル遭遇経験が12.4%にとどまるのに対し、上級者では41.6%に達する。
  • インターネット・携帯電話利用について、親子でルールを設けている場合とそうでない場合とで、生徒がトラブルに遭遇する割合はいずれも30~40%程度であり、大きな差異はない。

【インターネット安全利用に関する授業の前後における生徒の意識変化調査】

  • 安全なインターネット・携帯電話利用にあたっては、フィルタリングが効果的な方策であるとの認識が生徒において授業後に高くなった。他方、フィルタリング以外の方策に関しては、効果的であるとの認識は授業後に必ずしも高くならなかった。
  • 「出会い系サイト」については危険性の認識がすでに生徒に定着しているが、掲示板サイトやブログなどは授業後に大きく向上した。
  • 授業を実施したことにより、インターネットの安全利用には、教師や両親との話し合いが必要であるとの認識を持つ生徒が75.2%となり、授業前よりも15%ほど増加した。

アンケート調査の概要

  • 対象: 慶應義塾高等学校第一学年全生徒
  • 調査企画: 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、デジタルアーツ株式会社
  • 調査実施: 一般社団法人融合研究所
  • 調査協力: 慶應義塾高等学校
  • 実施時期: 2009年6月8日(月)から12日(金)の5日間
  • 実施場所・方法: 慶應義塾高等学校、「情報A」の授業前後で二回実施
  • 実施授業内容: コンピュータウイルスによる被害、個人情報の漏洩、ネット利用犯罪の被害と加害、青少年インターネット利用環境整備法、インターネットの安全利用

【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。

PDF 「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」調査結果(684MB)

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツは、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」との企業理念のもと、フィルタリング技術を核に、情報セキュリティ事業を展開する企業です。製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行い、国産初のWebフィルタリングソフトを市場に出したメーカーならではの付加価値を提供しています。また、フィルタリング製品の根幹を支える国内最大級となる約2億7,000万ページのWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力が高く評価されています。国内でトップシェアを誇るWebフィルタリングソフトとして、個人向けに「i-フィルター」、企業向けに「i-FILTER」、また企業向け電子メールフィルタリングソフトとして「m-FILTER」を提供しています。
  • ※ デジタルアーツ/DIGITAL ARTS、ZBRAIN、アイフィルター/i-フィルター/i-FILTER、m-FILTERは、デジタルアーツ株式会社の登録商標です。
  • ※ その他、上に記載された会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。