2015年02月09日
デジタルアーツ株式会社

未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査
~携帯電話・スマートフォン所有者によるアプリやネットの利活用実態を調査~

女子高校生の1日の平均使用時間は7時間
0歳~9歳の保護者64.0%が情報モラル教育や対策が不十分と回答
~10歳から18歳のスマートフォン所有率は65.0%、フィルタリング使用率も48.6%に上昇
情報モラル教育の強化が必要だと思う69.7%の保護者が学校・教育機関に期待~

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、教育現場における情報化を推進されていらっしゃる玉川大学 大学院 教育学研究科 准教授 近藤昭一氏監修の下、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小・中・高校生男女618名、及び0歳から9歳の子どもを持つ保護者層595名、合計1,213名を対象とした、第7弾となる利用実態調査を実施しました。

10歳から18歳の携帯電話・スマートフォンの使用実態
  • 何らかの携帯電話を持つ未成年者(10歳~18歳)のスマートフォン所有率は65.0%と前回(2014年7月調査)から微増。小学校高学年(10歳から12歳)39.3%、中学生59.7%、高校生96.1%。女子高校生は98.1%が所有。
  • 全体のフィルタリング使用率は48.6%と前回比で4.0%上昇。特に小学校高学年の女子小学生が60.3%と高い。中学生50.4%、高校生40.9%。
  • 1日の平均使用時間では、小中学生は2時間未満、男子高校生は4.1時間。女子高校生は平均時間が7時間で、「15時間以上」が9.7%と高く、使用時間帯を見ると「0時~3時」が24.3%に及ぶ。
  • 使用頻度の高いアプリは「LINE」61.8%、「ゲーム」41.4%、「動画」39.2%。女子高校生はアプリを全般的によく使い、「Instagram」は35.0%が使用している。
0歳から9歳におけるインターネット接続端末の使用状況
  • 子どもがネット接続端末を使用し始めるのに最適な年齢については、小学校低学年(7歳から9歳)と考える保護者が28.2%と最多。実際は、今の子どもの実年齢層で持たせたいと考える傾向あり。
  • 子ども専用に持たせている端末は「携帯ゲーム機」25.7%、「子ども用携帯電話」15.5%、「契約の切れた中古のスマートフォン」10.6%。0歳~3歳の保護者の約21%が「契約の切れた中古のスマートフォン」を持たせており、「携帯ゲーム機」より高い。全般的に父親の方が何らかの子ども専用の端末を持たせていると回答した割合が高い。
  • 気がついたら子どもがインターネット接続端末で全然違うことをしていて驚いた経験があると回答した保護者は45.7%。内訳は、「動画を見ていた」54.0%、「電話が発信されていた」37.9%、「カメラアプリを起動していた」30.5%。
0歳から9歳の保護者の情報モラル教育や対策についての意識
  • ネットの世界は子ども達が被害者にも加害者にもなってしまう可能性を認識している保護者は79.2%。
  • 保護者の64.0%が、子どもがネット上で犯罪に巻き込まれないための対策や教育が十分に取られていないと回答。どのような対策や教育が有効だと思うかについては、「情報モラル教育強化」54.6%、「販売されている端末側の機能制限」51.4%、「アプリやウェブサービス提供者の年齢制限」51.2%。
  • 「情報モラルの教育強化」が有効と回答した保護者は、「学校・教育機関」69.7%、「保護者・家庭」59.1%、「政府」46.2%が主体的に行ってほしいと思っている。
  • 子どもにインターネットに接続できる端末を使わせる場合、「最初からフィルタリングが搭載されている子ども専用端末を使わせるべき」53.8%、「子どもが使う可能性があるので、大人用の端末に子ども用のモードを入れてほしい」29.2%、「子どもに使い方を教育するなら、制限は必要なく、大人用と同じ端末を使わせても問題ない」8.7%と回答。
【調査概要】
調査対象:何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ全国の10歳から18歳の男女及び
     全国の0歳から9歳の子どもを持つ保護者
調査期間:2015年1月7日(水)~1月14日(水)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,213サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:595サンプル)
実施機関:株式会社マクロミル

今回の調査は、2011年12月から定期的に行っている「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」の第7弾として行われ、10歳から18歳のスマートフォンやタブレット端末などのインターネット接続可能な携帯端末がどのように活用されているのかの調査と、0歳から9歳までの低年齢層の子どもを持つ各家庭で保護者がどのような意識・意向で子どもにインターネット接続端末を使わせているのか調査を行いました。

10歳から18歳の何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ未成年者の中でのスマートフォン所有率は65.0%と前回調査(2014年6月実施)の59.1%から5.9%上昇し、フィルタリング利用率も前回の44.6%から4%上昇して48.6%と過去最高の数値となりました。学齢別に見ると、女子の小学校高学年でフィルタリング利用率が60.3%と前回から16.1%上昇していることから、昨今のスマートフォン上で起こる様々な問題を考慮し、特に友達とのコミュニケーションを積極的に行う女子小学生において保護者が早い段階からフィルタリングを導入したのではないかと推測しています。また、女子高校生の1日の平均使用時間が前回6.2時間から7時間に増え、0時~3時の時間帯も24.3%が使用していることがわかり、今後、スマートフォンを所有することによる使用時間の長時間化が懸念されます。

0歳~9歳の子どもと持つ保護者の回答では、子ども専用端末として「携帯ゲーム機」「子ども専用携帯電話」「契約の切れた中古のスマートフォン」が上位でしたが、特に0歳~3歳の保護者では「携帯ゲーム機」の所有率が前回から減少する一方で、21%が「契約の切れた中古のスマートフォン」を持たせており、一番高い結果となりました。また、気がついたら子どもがインターネット接続端末で全然違うことをしていて驚いた経験があると回答した保護者は45.7%もおり、子どもがネット上で犯罪に巻き込まれないための有効な対策として情報モラル教育の強化を望む割合が54.6%もあったことから、今後は学校・教育機関だけでなく、ご家庭でも情報モラル教育に加えて端末側での機能制限やフィルタリングの活用が望まれます。

今回の調査は7回目になりますが、1回目から振り返りますと、年々、インターネット接続端末の低年齢層への普及に加えて、端末の高機能化やIT環境の進化、そしてアプリといったコンテンツの充実化が進んでおり、未就学児、小学生、中学生、高校生とそれぞれの学齢において課題を抱えていることがわかります。日々進化を遂げるインターネット社会において、世代に関係なく、インターネットと正しくつきあう知識と情報に翻弄されない力がより必要となることでしょう。デジタルアーツは、今後も、一人でも多くの方が安全なインターネットライフを過ごしていただけるように、インターネットのリテラシーとフィルタリングの重要性を全国に訴求し続けてまいります。

今回の調査結果について

玉川大学 大学院 教育学研究科 准教授 近藤昭一氏

今回の調査では、10歳~18歳のスマートフォンの使用時間の長時間化と、未就学児の保護者が早い段階から子ども専用のインターネットに接続できる端末を与えていることが印象的でした。スマートフォンやタブレットの登場により、非常に便利な時代になってきたのは事実ですが、どんなにITが進んで生活に浸透してきたとしても、ITはインフラやツールでしかありません。これらを当たり前に使いこなせる世代の子ども達が増えていく一方で、人格形成の一番大事な多感な時期に、メディアを介した間接的なコミュニケーションがメインとなってしまい、人と人との多様で直接的なコミュ二ケーションの機会が失われつつあることを非常に危惧しています。そのことは、相手の気持ちを感じ取ったり、適切な言葉で相手に伝えたりする情緒交流の能力やコミュニケーションスキルの未発達を招く恐れがあります。

インターネットは、楽しい趣向やきれいな演出もあって嵌ってしまう気持ちはわかるのですが、そこが子ども達の居場所になってしまわないようにする必要があります。保護者の皆さんには、お子さまの周囲に多くの“大切な人”と出会いの場を作っていただき、しっかりと人と向き合える交流をさせてほしいと思います。その体験が子ども達にとって生きていく自信になります。幼少期から、ネット中心の生活を送らせないで、親子での会話や遊び、地域活動や自然との触れ合いをさせて、バランス良く、多くの体験をさせてあげてください。そして、インターネットを使う時は、端末の制限機能や家庭内でのルールづくり、フィルタリングソフトの活用など、環境整備をお願いしたいと思います。お子さんがインターネットを道具として使いこなす逞しい大人へと成長されることを期待しております。

【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。
「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツは、フィルタリング技術を核に、情報セキュリティ事業を展開する企業です。製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行い、国産初のWebフィルタリングソフトを市場に出したメーカーならではの付加価値を提供しています。また、フィルタリング製品の根幹を支える国内最大級のWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力が高く評価されています。国内でトップシェアを誇るWebフィルタリングソフトとして、家庭および個人向け「i-フィルター」・企業向け「i-FILTER」「i-FILTER ブラウザー&クラウド」を提供する他、企業向けとして電子メールセキュリティソフト「m-FILTER」、電子メール誤送信防止ソリューション「m-FILTER MailAdviser」、セキュア・プロキシ・アプライアンス製品「D-SPA」、ファイル暗号化・追跡ソリューション「FinalCode」を提供しています。
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  • ※ デジタルアーツ/DIGITAL ARTS、ZBRAIN、アイフィルター/i-フィルター /i-FILTER/i-FILTER EndPoint Controller、m-FILTER/m-FILTER MailFilter/m-FILTER Archive/m-FILTER Anti-Spam/m-FILTER File Scan、D-SPA はデジタルアーツ株式会社の登録商標です。
  • ※ FinalCodeは、株式会社アイキュエスの登録商標です。
  • ※ その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。