2018年05月24日
デジタルアーツ株式会社
≪第12回未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査≫
ネット限定の友達がいる高校生は49.5%、
「自画撮り被害」等に対する危機意識が低い
~個人情報漏えいのリスクを認識するも、ネット上の友達には信頼度が高く、簡単に情報や画像を提供
女子高校生の裏アカウント所有率は69.9% リアルな友達に知られたくない本音を吐露~
総合情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、未成年者の携帯電話・スマートフォンの最新の利活用状況について、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小・中・高校生男女618名、及び同年代の子どもを持つ保護者層618名、合計1,236名を対象とし、第12回目となる利用実態調査を実施しました。
今回の調査では、未成年のスマートフォンの所有割合や利用実態・フィルタリングの使用率等に加え、インターネット・SNS上におけるコミュニケーションの現状についてもヒアリングしました。
その結果以下のような傾向が見られました。
- 未成年(10歳から18歳)のスマートフォン/携帯電話の使用状況とフィルタリングの利用率
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- 携帯電話を持つ未成年者は、ほぼすべてスマートフォンを使用(94.5%)。
何らかの携帯電話を持つ未成年者のスマートフォン所有率は94.5%と昨年から3.7%増加。
特に小学生の所有率が90.0%と昨年から16.5%増加している。 - 未成年者のフィルタリング使用率は40.0%。
携帯電話購入時にフィルタリング設定の説明を受けたと回答した未成年は52.9%で、昨年から15.4%増加するものの、フィルタリングの現在の使用率は40.0%と昨年から9.5%減少している。
- 携帯電話を持つ未成年者は、ほぼすべてスマートフォンを使用(94.5%)。
- ネット上のコミュニケーション
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- ネット上の友達がいる高校生は49.5%。
ネット上のみでコミュニケーションを取る友達(ネット上の友達)がいる高校生は49.5%であった。
「顔、容姿」を教えても良いと考える未成年の割合は24.1%、「本名」を明かしても良いと考える割合は21.6%であった。 - ネット上の友達とのリアル化を希望する女子高校生は64.8%。
ネット上の友達と実際に会うことを希望する未成年は48.7%、女子高校生では64.8%であった。
- ネット上の友達がいる高校生は49.5%。
- ネット上のリスクに対する危機意識
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- 社会的通念として、情報漏えいに危機感を感じる人は増加(未成年者が43.0%と21.0%増加)。
個人情報の漏えいについて、昨年に比べ危機感を感じる人の割合が増加し、保護者が43.5%と昨年から14.5%増加、未成年者が43.0%と昨年から21.0%増加している。 - 当事者として「自画撮り被害」※についての危機感は希薄(保護者の97.2%、未成年の93.7%が実感なし)。
当事者として「自画撮り被害」について危機感を感じる人の割合が少なく、保護者が2.8%、未成年が6.3%であった。
- 社会的通念として、情報漏えいに危機感を感じる人は増加(未成年者が43.0%と21.0%増加)。
- SNS または写真・動画アプリの利用実態
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- SNSでプライベートでの出来事や本音を話す人は、未成年全体の56.1%。 SNS等に撮影・閲覧・投稿する内容は、「プライベートでの出来事、感じたこと」が未成年全体で最も多く、56.1%、女子高校生では「自分の考え方や悩みごとなど」も53.4%であった。
- SNSでコミュニケーションを取る女子高校生の18.6%に、自画撮り画像の送付依頼あり。
SNSを通じて特定の相手とコミュニケーションを取る女子高校生のうち、18.6%が「自分の顔または身体が写っている写真・動画を送ってほしい」と言われ、7.0%が「家族、友人、周囲の人に相談できない内容又は写真・動画を投稿または特定の相手に送った」経験を持っていた。
- 裏アカウントの所有率
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- 女子高校生の69.9%、女子中学生の41.7%が裏アカウントを利用。
女子高校生の69.9%、女子中学生の41.7%が裏アカウントを利用、特に女子中学生は昨年から12.6%と大きく伸びている。 - 裏アカ利用のコミュニケーションの内容は、好きなものや趣味、芸能人、アーティストなどが未成年全体で最も多く、47.0%。理由は、「顔のわかる相手に知られたくない感情/言いたいことが言えるから」が最も多く、未成年全体で40.1%であった。
- 女子高校生の69.9%、女子中学生の41.7%が裏アカウントを利用。
調査対象:何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ全国の10歳から18歳の男女及び同年代の子を持つ保護者
調査期間:2019年4月1日(月)~4月2日(火)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,236サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:618サンプル)
実施機関:株式会社マクロミル
ネット上の友達への信頼感から重要な情報等を送らされる可能性もネット上での情報授受に課題
ネット上の友達がいる高校生は半数近くおり、趣味や好きなもの・こと等の情報交換や意識共有を通じて共感を求める傾向にあります。また、相手に対して「顔、容姿」や「本名」を明かしても良いと考えるなど、一定程度の信頼感も持っています。
裏アカウントの所有率は女子高校生と女子中学生で増加傾向にあり、顔のわかる相手に知られたくない感情や言いたいことを書き込むため利用されています。
ネット上のリスクに対しては、保護者と未成年、ともに昨年に比べ当事者意識を持つ人の割合が増えてきているものの、「個人情報の漏えい」等あくまでも社会的な通念や知識の範囲であり、自分自身が「自画撮り被害」やネット上での出会いをきっかけとした被害等に遭う危険については危機意識が低いままです。
こうした未成年の心理や状況を相手が悪用し、重要な情報や写真等を送らされ、深刻な被害に遭う可能性も充分有り得ます。東京都では、昨年の2月1日から「自画撮り画像」を不当に求めることを犯罪とする項目を設けた「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」が施行され、「自画撮り被害」防止に向けた取り組みはいっそう強化されました。
被害を防ぐためには、まずは当事者となるこどもとその保護者がネット上のリスクについて認識し、ネット上での情報授受に細心の注意を払うとともに、何か問題が起きたら直ぐに相談に乗ってあげられる環境づくりなど、各家庭で保護者がこどものインターネット利用を見守る体制を整えることが重要です。
インターネットの利用時間や利用状況を保護者が確認したり、利用できるSNSやアプリを限定する機能を持つフィルタリングソフトは、上手に活用することで成長に合わせて対策をすることが可能となります。しかしながら、徐々にその利用率は低下していることも今回の調査でわかりました。
要因の一つとして、Webフィルターやアプリフィルターの機能が、利用者である未成年が考える利便性のニーズに添えていないことが考えられます。これに対して、危険なサイトは確実にブロックし、知りたい(安全な)サイトはより早く見られるよう、有害サイトのカテゴライズを見直すなど、機能を向上していくことで未成年のネット上の安全を守ることがフィルタリングメーカーとして求められていると考えています。
今後もデジタルアーツは、一人でも多くの方が安心してインターネットを利用していただけるよう、情報セキュリティメーカーとして情報リテラシーの向上とフィルタリング普及によりいっそう努めてまいります。
【参照】調査結果の詳細をグラフ・解説入りで参照していただけます。
以上
- デジタルアーツについて
- デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
インターネットの黎明期であった1998年に初めて国産のWebフィルタリングソフトを世に送り出した先駆者であり、これまでの知見をもとに、情報漏洩対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する、最先端の情報セキュリティ製品を提供しています。
国産メーカーの強みを生かして、製品の企画・開発・販売・サポートまでを一貫して行っており、プロダクトの根幹を支える国内最大級のWebフィルタリングデータベースと、世界27の国と地域で特許を取得した技術力は、高い評価を得ております。契約更新率95%以上という実績は、顧客満足度が高い証左です。
国内シェアの50%以上を占めるWebセキュリティソフト「i-FILTER」を中心に、個人・家庭向けの「i-フィルター」、メールセキュリティソフト「m-FILTER」、ファイル暗号化・追跡ソリューション「FinalCode」などの製品を揃えており、ワンストップでWebやメール、ファイルのセキュリティ対策を実現できます。
「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」という理念のもと、デジタルアーツは全てのステークホルダーの皆さまに信頼される東証一部上場企業として成長を続けています。
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