トップメッセージ
株主・投資家の皆さま
2026年3月期上期は、サイバー攻撃や情報漏えいリスクが一層深刻化する中、社会全体でセキュリティ対策の重要性が
急速に高まった半年となりました。
当社グループは、このような環境下において「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献する」という
企業理念のもと、企業・公共・家庭のあらゆる分野でセキュリティ強化の支援に取り組んでまいりました。
上期は、特に公共市場において「GIGAスクール構想 第2期」および「次世代校務DX」関連案件の受注が好調に推移し、
契約高は想定を上回る大幅な増加となりました。
一方で、契約の中心がクラウドサービス系製品へと移行していることから、会計基準上の収益認識の影響により、
売上および利益の一部が下期以降に繰り延べられ、短期的には収益面で抑制的な動きとなりました。
その結果、上期実績を踏まえ、当期通期の契約高を上方修正する一方で、売上高および営業利益を下方修正する判断をいたしました。
しかしながら、この変化は短期的な収益の揺らぎではなく、中長期的な成長基盤の拡大に向けた構造的な転換期であると捉えています。
クラウド移行の進展により、当社のビジネスモデルは「一時的なライセンス売上」から「継続的なサービス収益」へと
着実に変化しており、将来にわたって安定的かつ持続的な成長が見込まれます。
下期は、この流れをさらに加速させ、当社の強みである「ホワイト運用」の価値を全面に打ち出してまいります。
従来のセキュリティ対策は「攻撃を受けること」を前提とした“検知と対応”型が主流でしたが、サイバー攻撃の手口が
年々巧妙化・多様化する中で、こうした従来のアプローチでは被害を完全に防ぐことが難しくなっています。
当社が提唱する「ホワイト運用」は、信頼できる通信や挙動のみを許可することで、「攻撃自体を未然に排除する」という
新しいセキュリティモデルです。
すでに企業・公共分野を中心に1,428万人の利用者にご導入いただき、これまでマルウェア被害報告は0件という実績を誇ります。
この「ホワイト運用」を核に、企業・公共・家庭などあらゆる領域で“インターネットを安全に使える社会”の実現を目指してまいります。
さらに下期からは、新製品「Z-FILTER」の本格展開を開始し、
ゼロトラストの思想に基づくクラウドセキュリティの新たな価値提供に挑戦します。
また、人材投資や開発体制の強化を通じて、スピードと品質を両立させる経営基盤を確立し、
持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
変化の激しい時代だからこそ、デジタルアーツは挑戦を恐れず、
社会の安全と利便性の両立というテーマに真正面から取り組み続けます。
中長期的な視点での成長と株主価値の最大化に向け、
今後も一歩ずつ着実に歩みを進めてまいります。
今後とも、皆さまの変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年10月30日
デジタルアーツ株式会社
代表取締役社長 道具 登志夫