2021年12月23日
デジタルアーツ株式会社

岐阜県揖斐川町教育委員会とデジタルアーツが、
GIGA端末のルールメイキング事業を実施
~小学生が動画閲覧などのフィルタリング利用ルールを考案~「学習に関係のない動画は見ることができない方が良い」自分たちで考えたルールは守る傾向に 

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、岐阜県揖斐川町教育委員会(教育長:野原 靖(のはら やすし)、以下、揖斐川町)と共同で、揖斐川町内の小学校におけるGIGAスクール端末の利活用に関するルールメイキング事業を実施したことを発表します。

揖斐川町の小学生とGIGA端末のルールメイキングを実施

全国の児童・生徒に1人1台端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」により、多くの自治体で2020年度内に1人1台の学習用端末(GIGA端末)が導入され、端末を活用した学習が進んでいます。コロナ禍でのオンライン授業やICT活用による学習などが進み、様々な利点がある一方、端末を運用する上でのトラブルや端末を使ったネットいじめなどの課題も出てきています。GIGA端末の運用については、ルールをどのように・どこまで定めるべきかなど、教育の現場や有識者の間で議論が活発化しています。

こうした中、揖斐川町では、児童・生徒自身がGIGA端末を使う上での利点や課題を自分事として認識した上で、端末を活用するために注意すべきことや、やってはいけないことは何かを考えて利用ルールを作る機会が重要と考えています。このため、同町では小学生のうちからGIGA端末の利用ルールを考えるための授業を実施することを決定し、デジタルアーツと共同でこれを行うこととなりました。デジタルアーツではこれまで、CSR活動として全国の学校や地域にご訪問し、ご家庭でのスマートフォン活用やインターネットにおけるルールやマナーについて、青少年やその保護者に教える「情報リテラシー授業」を実施してきました。こうした知見を活かし、揖斐川町とともに本事業において授業を実施しました。

授業は、揖斐川町立谷汲小学校の児童全学年103名を対象に行いました。まず夏休み前に1回目の授業を行い、インターネット利用にひそむ危険について講演しました。講演で学んだことを踏まえて班に分かれてGIGA端末の利用ルールを作ってもらいました。ルールは、端末の利用時間や動画閲覧の可否など、インターネットの利用で気を付けることなどを決めることです。その後自分たちで作ったルールで、夏休み中のGIGA端末の持ち帰り学習を行ってもらい、夏休み明けに児童が実際にルールを守れたか、その他気付いたことなどについてアンケートを取りました。アンケートでは動画を授業や学びの為に使いたいという意見があったため、2回目の授業では動画閲覧の良い側面と悪い側面について講演を行いました。これを踏まえて、児童に動画閲覧についてどうすべきかを話し合ってもらいました。

動画閲覧の許可or禁止について、子どもたちの意見は半々 「関係のない動画は見ることができない方がいい」

まず、夏休み中の持ち帰り学習では、多くの児童が夏休み前に自分たちが作ったルールを守っていました。学校から配られた端末であることから自制心が働いたこともありますが、授業を通してインターネット利用の利点や危険について学び、多くの児童が端末の利用を自分事として捉えることができた結果ではないかと推察されます。

また、学習面で動画を活用したいという意見が児童の中から上がったため、2回目の授業以降では動画閲覧に関するルールを中心に考えてもらいました。具体的には、動画閲覧について学習における利点や健康被害といった危険について学んだ後、改めて動画閲覧すべきかどうか児童に尋ねたところ、閲覧許可した方が良いという意見と、閲覧禁止した方が良いという意見とで約半数に分かれました。動画を閲覧許可した方が良いという意見では「理科の実験や図工の学習などで手順が理解しやすい」といった学習における利点が挙がりました。一方、閲覧禁止した方が良いという意見では「学習に関係のない動画も自動再生されてしまう」「不用意な動画から偽広告や危険サイトを経由してマルウェア感染してしまう危険があるから怖い」といったように、自分で制御できない点でのリスクが挙がりました。

ルールメイキングにより、児童が端末活用における課題や危険を自分事と認識

こうした児童の意見を踏まえ、揖斐川町では動画閲覧をする上で、「動画を学習に活用していくには?」という観点で、さらに児童に利用ルールを考えてもらい、その際フィルタリングによる制御機能も活用できることを伝えていく予定です。

今回のルールメイキングでは、児童がインターネット上の危険について学ぶだけでなく、自身が考えたルールで実際に持ち帰り学習を行いました。このことで、改めてGIGA端末の利点と課題(制御できないインターネットの怖さ)などを自分事として認識することができたのではないでしょうか。その結果、「学習に関係のない動画は見ることができない方が良い」という考えを児童自身が導き出しました。教員(管理者)やフィルタリングメーカーが一方的にルールを考えるのではなく、児童が実際に課題や危険について考え、体感できたことが今後の安全な活用の上での最大のポイントと考えます。揖斐川町では、このように小学生のうちに端末の利用ルールを考える機会として、年間を通じてルールメイキングの授業を行っていく方針で、保護者会での周知等も行われる予定です。

ルールメイキングを通じて、フィルタリングを使って自分や仲間を大切にしながらGIGA端末を利活用していってほしい

フィルタリングには、動画に限らず学習に関係のあるWebコンテンツのみを閲覧許可する機能や、「死ね」「うざい」といったいじめに繋がるような単語の書き込みを制御する見守り機能が搭載されています。こうした機能を活用すれば、児童や教員が考えたルールに合わせて柔軟に設定することが可能です。ルールメイキングを通じて、児童が学習での活用方法や、ひいては仲間を傷つけないためにはどんなルールを設けたら良いかを考えてもらうことで、自分や仲間を大切にしていきながら、GIGA端末を利活用できるようになってほしいと考えています。

デジタルアーツからは、インターネット利用に潜む危険だけでなく、フィルタリングで実現可能なことも児童・生徒に伝え、よりよいGIGA端末の安全な活用に向けて児童・生徒のルール作りをサポートしていく所存です。

デジタルアーツは引き続き、児童・生徒の安全な学習環境をサポートし、ICT教育の発展に貢献してまいります。

GIGAスクール構想の1人1台端末に特化したフィルタリングサービス

デジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全にかつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。

「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版について詳細は▶ こちら

※株式会社富士キメラ総研「2021 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2020年度)(2021年9月発行)

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
1995年の創業以来、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」を企業理念とし、情報漏えい対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する最先端の製品を、企業・官公庁・学校・家庭向けに提供しています。
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