2026年09月15日
デジタルアーツ株式会社
【セキュリティレポート】サポート詐欺で広告審査を回避する「ゼロリダイレクトクローキング」を確認
~2026年に流行する2タイプを分析~
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ)は、2026年に流行しているサポート詐欺を分析し、広告から誘導する手口に大きく2種類のパターンがあることを確認しました。
両タイプでは、広告審査時には無害なページを表示し、一般利用者には詐欺コンテンツを表示する「クローキング」に加え、別サイトへのリダイレクトを行わない「ゼロリダイレクトクローキング」が採用されています。また、クローキング専門サービスがサポート詐欺に利用された形跡も確認しました。
詳細なセキュリティレポートはこちら
https://www.daj.jp/security_reports/58
10年以上続くサポート詐欺、2026年も増加傾向
サポート詐欺は、偽のセキュリティ警告を表示して利用者を不安にさせ、偽のサポート窓口への電話などを促す手口です。少なくとも2015年頃から確認されており、2026年上半期のIPAへの相談件数は、個人2,582件、企業・組織109件となっており、直近の四半期別の相談件数も増加傾向にあります。
サポート詐欺は主にWeb広告を経由して誘導されます。正規のニュースサイトやブログ、SNSなどにも不正な広告が配信されることがあり、一般的なWebサイトを閲覧している中でもサポート詐欺に遭遇する可能性があります。
【図1】IPA「ウイルス検出の偽警告」相談件数の推移(※)
(※)IPAの相談窓口公開レポートを基に、デジタルアーツにて図表を作成
(※)企業・組織の相談件数は、個人と分けて公表されるようになった2025年4月以降のみ掲載(2025年は4~12月の合計)
2026年に流行するサポート詐欺は大きく2種類
2026年8月時点で、広告からサポート詐欺へ誘導するパターンを大きく2種類確認しています。
Aタイプは比較的以前から存在し、セール風の画像などに「続きへ進むにはこちらをクリック」といった文字を表示した広告が特徴です。
一方、2026年に入り目立ち始めたBタイプは、「次へ」「見る」など短い文字だけを記載した広告が使われています。特にBタイプでは、広告であることを示すアイコンが表示されないケースもあり、Webサイトのコンテンツに擬態することで、記事の続きなどと誤認してクリックさせる狙いがあると考えられます。
【図2】Aタイプの広告の例 (左)
【図3】Bタイプの広告の例 (右)
【図4】2タイプが同時に表示されたバナー広告
両タイプで「ゼロリダイレクトクローキング」を確認
従来のサポート詐欺では、広告のリンク先から別のWebサイトへリダイレクトして詐欺サイトを表示する手法が主流でした。
一方、2026年3月にデジタルアーツが確認したAタイプでは従来型のリダイレクトが使われていましたが、現在ではAタイプ、Bタイプの双方で、「ゼロリダイレクトクローキング」を確認しています。
「ゼロリダイレクトクローキング」とは、別のWebサイトへリダイレクトすることなく、アクセスした環境などに応じて同じURL上で表示するコンテンツを切り替える手法です。広告審査時には無害なページを表示する一方、一般利用者には同じURLのままサポート詐欺を表示します。
【図5】従来のリダイレクトとゼロリダイレクトクローキングの違い
この変化から、攻撃者が検出されやすいリダイレクトを避け、広告審査を回避するために手法を変化させている可能性があると考えられます。
クローキング専門サービスの利用も確認
今回の調査では、広告審査やWeb解析を回避するクローキング専門サービス「CloakPro」が、Aタイプのサポート詐欺に利用された形跡も確認しました。
同サービスでは、IPアドレスやUser-Agent、マウス操作など複数の情報からアクセス環境を判定し、広告審査と一般利用者に異なるコンテンツを表示する仕組みが提供されています。
攻撃者がこうしたサービスも活用しながら、広告審査の回避を図っている状況がうかがえます。
サポート詐欺に遭遇した場合の対処方法
サポート詐欺サイトに遭遇した場合は、表示された電話番号には連絡せず、「Esc」キーを長押しして全画面表示を解除し、ブラウザーを閉じてください。ブラウザーを閉じられない場合などの詳しい対処方法は、レポート本編で紹介しています。
まとめ
今回の分析では、広告から誘導されるサポート詐欺に大きく2種類のパターンが確認され、双方で「ゼロリダイレクトクローキング」が採用されていました。
さらに、広告審査を回避するためのクローキング専門サービスの利用も確認されており、攻撃者が広告審査を回避するための手法を変化させていることがうかがえます。
サポート詐欺は個人だけでなく、企業・組織においても被害が発生しています。
企業・組織では、従業員への注意喚起や教育に加え、不正な広告や悪性サイトへのアクセスを制御するなど、人とシステムの両面で対策することが重要です。
■デジタルアーツの取り組み
デジタルアーツでは、「i-FILTER」「i-フィルター 10」「Z-FILTER」により、広告から誘導されるサポート詐欺への対策を支援しています。
デジタルアーツが安全を確認したURLへのアクセスを許可する「ホワイト運用」に加え、確認した悪性URLをフィルターデータベースへ迅速に反映することで、サポート詐欺サイトへのアクセスを制御します。また、「広告・バナー」カテゴリを利用して、Web広告へのアクセスを制御することも可能です。
■Webセキュリティ「i-FILTER」 https://www.daj.jp/bs/i-filter/
■個人向け総合セキュリティ「i-フィルター 10」 https://www.daj.jp/cs/
■ネットワークセキュリティ「Z-FILTER」 https://www.daj.jp/bs/z-filter/
デジタルアーツは今後も、最新の脅威動向の分析と発信を継続するとともに、製品・サービスを通じて、安全なインターネット利用環境の実現に貢献してまいります。
以上
- デジタルアーツについて
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デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
1995年の創業以来、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」を企業理念とし、情報漏えい対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する最先端の製品を、企業・官公庁・学校・家庭向けに提供しています。
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