2022年02月01日
デジタルアーツ株式会社

大阪府摂津市の中学生が考えた、GIGA端末の利用ルールを公開
~「YouTubeやTwitterも安全に利用したい」~
ルールメイキングの授業で、生徒自身がフィルタリングも活用した対処法を提案

情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、大阪府の摂津市立第二中学校と摂津市立第四中学校の生徒が考えた、GIGA端末の利用ルールを公開したことを発表します。

デジタルアーツが摂津市の中学生向けにGIGA端末のルールメイキング授業を実施

文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」により、多くの自治体で小・中学校における1人1台の学習用端末(GIGA端末)と高速ネットワークが整備され、端末を活用した学習が進んでいます。コロナ禍でオンライン授業やICT教育が今後必須となっていく中、GIGA端末をどう安全に運用していくべきか、教育現場や専門家の間で議論が活発化しています。

このような中デジタルアーツは、昨年7月から10月にかけて、摂津市立第二中学校と摂津市立第四中学校の中学2年生を対象に、GIGA端末の利用ルールを考えるルールメイキングの授業を行いました。学校の先生やフィルタリングメーカーなど管理者側からの視点ではなく、端末を実際に使う生徒自身が利用する上での課題と向き合う機会が重要と考えたためです。

本授業で生徒自身が考案した、端末を利用する上での要望や課題、フィルタリングを活かした対処法など、今後の学習に有効なさまざまなアイデアが出てきましたので、その一部をご紹介します。

「YouTubeは実務系学習に、Twitterは調べもの学習に必要」具体的な理由も明確に示された

大阪府摂津市教育委員会(以下、摂津市)はICT教育に注力しており、市内の小・中学校にiPad約6,800台を整備しました。また、「トラブルを未然に防ぐ」を理念とし、児童生徒と教員が安全に、安心してGIGA端末を活用した学習ができるよう、フィルタリングも活用しています。

1回目の授業では、生徒が身近に感じやすい動画・SNSの投稿による個人情報漏洩など、「インターネットの危険」について学んでもらいました。2回目の授業までにディスカッションをし、GIGA端末の利用ルールをモラル面とフィルタリング設定面について、ルールを考えてもらいました。最終的には班で意見をまとめて、クラスメイトと先生、デジタルアーツに向けてプレゼンテーションしてもらいました。

授業の中では、YouTubeやTwitterを学習で安全に利用したい、安全なアプリなら息抜きに利用したい、といった意見が出ました。特に、YouTubeは家庭科などの実務系の学習をする際にわかりやすい、Twitterは調べもの学習でリアルタイムの情報が手に入れられるというように、これらが必要となる具体的な理由も明確に示されました。また、フィルタリングでブロックされるURLとそうでないURLの違いがわからない、といった疑問点が出てきた班もありました。

こうした意見を基に、生徒自身がYouTubeやTwitterなどを安全に使うためにどうしたらよいか、対処法を考えました。
それには先生に相談する、フィルタリングを活用するなどの具体的な方法が挙げられました。フィルタリングなら学習に関係のある動画のみ許可する、Twitterの閲覧のみ許可して書き込みをブロックするといった制御が可能となるため、こうした点はデジタルアーツから紹介しました。

生徒自身が目的を掘り下げ、具体的な対処法を考案

GIGA端末の運用に関して、学校や教育委員会など管理者側の視点のみで考えると、YouTubeの動画やTwitterなどのSNSは、一括でブロックするという選択を取りがちになります。しかし、生徒の意見にある通り、YouTubeやTwitterも学習の上で利用した方が深く学ぶことができます。生徒自身が学習に必要な部分とその目的をしっかりと掘り下げ、課題を明確にしたことで、対処法を考えることができました。

このように、利用ルールを生徒と学校とでディスカッションしながら構築していくことが今後必要になると考えています。また、こうしたルールを作る上で、どのWebサイトを閲覧許可またはブロックするか、YouTubeやSNSはどのように制御するかなどを、柔軟に指定できるフィルタリングが非常に重要になってきます。

今後もデジタルアーツは摂津市のGIGA端末のルールメイキングを支援していくとともに、よりよいGIGA端末の安全な活用に向けて更なる製品開発に努めてまいります。

摂津市の中学生が考案したGIGA端末のルールはこちら
摂津市の中学生が考案したGIGA端末のルール


大阪府摂津市教育委員会 学校教育課 指導主事 宗木俊憲氏からのコメント
摂津市教育委員会では、コロナ禍においても“子どもたちの学びを止めない”という想いのもと、GIGAスクール構想に早くから取り組みました。今まで教員のツールだったICTを、子どもたちが日常的に使える学習ツールにしていけるよう、デジタルドリルを活用した個別最適化学習や、協働学習ツールを用いたグループワーク、自分の考えを表現豊かに伝えるアウトプットなど、授業の幅を広げています。こうした現場のICT活用を高めるため、トラブル対応へのスピード感を重視し、フィルタリング対策としてデジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版を活用しています。

摂津市の職種体験プログラムでは、子どもたちが企業が抱える社会的課題や企業努力について知り、チームで協力して問題を解決することで、これからの自分の生き方を考えるきっかけをつかんでほしいという目的で実施しています。
今回デジタルアーツに実施していただいたルールメイキングの授業では、インターネット活用における利点と危険に向き合う機会となり、思ったよりもリアルな意見も多く出てきました。端末の運用については色々と課題がありますが、今後もこのように端末の活用について子どもたち自身が考えることが重要だと感じています。

▶ (参考)摂津市のキャリア教育について
https://www.city.settsu.osaka.jp/soshiki/kyouikusoumubu/gakkoukyouikuka/kyaria/index.html

GIGAスクール構想の1人1台端末に特化したフィルタリングサービス
デジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全にかつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。

▶ https://www.daj.jp/es/

※株式会社富士キメラ総研「2021 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2020年度)(2021年9月発行)

以上

デジタルアーツについて
デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアの提供を核に事業展開する情報セキュリティメーカーです。
1995年の創業以来、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」を企業理念とし、情報漏えい対策や標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃対策を実現する最先端の製品を、企業・官公庁・学校・家庭向けに提供しています。
https://www.daj.jp