導入事例

ご担当者様の声
「子どもたちを被害者にも、加害者にもさせたくない」、
フィルタリングで叶える教員の想い
市原市教育センター 指導主事 生田勲さん
千葉県 市原市教育委員会
千葉県 市原市教育委員会
市原市は人口約27万人の自治体で、養老渓谷など豊かな自然に恵まれた都市です。市内には小学校40校と中学校21校、そして小中一貫教育校が1校あり、「社会で活躍する人材を育む教育」などを教育理念に掲げ、19,500人の児童生徒が学んでいます。GIGAスクール構想前から一部の小学校で1人1台環境を試験的に導入するなど、先進的なICT活用に長く取り組んできた実績があります。

言葉やルールではなく仕組みで止められることが大事

市原市教育センター 指導主事 生田勲氏
市原市教育センター
指導主事 生田勲氏

市原市のICT環境整備に向けた取り組みは早く、2013年に校務用PCを整備すると同時に、モデル校で1人1台環境を導入し実証実験を始めました。その後も校務支援システム、大型テレビ、学校共用のタブレット端末、指導者用デジタル教科書などを段階的に整備し、これまで積極的にICT活用を進めてきました。

そして、2020年にやってきたGIGAスクール構想。市原市はWindowsのタブレットPCを20,500台導入し、電子黒板やオンライン授業に必要な配信用機材なども整備。またセンター集約型ではなく、学校から直接つながるネットワーク環境も整備し、当初から持ち帰り学習も想定して「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版(以下、「i-FILTER@Cloud」)を導入しました。

一方で、GIGAスクール構想が掲げる「学びの個別化」や「21世紀型スキルの育成」を実現するためには、明確なビジョンが欠かせないとして、市原市は独自の段階的目標「ICHRスタイル」を打ち出します。市原市教育センター 指導主事 生田勲氏は、「ICT活用を広げていくためには、先生方のスキルアップが欠かせません。そのため、段階的に活用を進められるように4つのステージを示しました」と述べています。具体的には、「1人1台タブレット環境に慣れる」「授業で効果的な活用を進める」「家庭に持ち帰り、家庭学習に役立てる」「学びの個別最適化をめざす」というもので、ICT活用をシームレスに進めることをめざしました。

フィルタリングについて生田氏は、持ち帰り学習をするなら“必須”だと考えていたようです。「子どもたちが不適切なサイトにアクセスしてウイルスに感染するのではないかという不安や、家庭で何かトラブルが起きた時の対応に保護者が困るのではないかという声を多く耳にしていました。もちろん、そうしたことが起こらないよう子どもたちのリテラシーを高め、情報活用能力を身につけていくことも大切ですが、まずは不安を取り除かないとICTは現場で使われません。子どもたちを危険から守るには、注意喚起の言葉やルールだけで止めるのはむずかしく、仕組みで止めることが重要だと考えフィルタリングを導入しています」(生田氏)。

何が危険なのかを身を持って覚えるには
世の中も厳しいためフィルタリングの制御が必須

これまでもオンプレミス版の「i-FILTER」を導入していた市原市。「i-FILTER@Cloud」は、長年、慣れ親しんでおり操作しやすいことや、見せたくないものをブロックできることで、現場の教員が安心して授業できる点などを評価いただいています。

「子どもたちを指導するうえで、何が危険なのかを教えることは大切ですが、身を持って危険を覚えるには、世の中も厳しくなっています。自殺や犯罪などの有害サイトやSNSによる誹謗中傷は、子どもたちにとって身近に潜んでいる危険で、いつ巻き込まれるかわかりません。すべての教員は“子どもたちを被害者にも、加害者にもしたくない”と思っており、子どもたちが危ないところにいこうとするのを止められることが大事です。『i-FILTER@Cloud』は、そこをしっかりブロックしてくれるので安心です」(生田氏)。

具体的には、「i-FILTER@Cloud」の端末隔離機能が役に立っているようです。これは、「脅威情報サイト」などのURLにアクセスしたクライアント端末を「i-FILTER」経由でインターネット利用できないように隔離し、管理者へメール通知する機能です。生田氏は、「隔離されることで、“ここから先に進むと悪いものが待っているよ”というメッセージを伝えたり、注意喚起もできるので、先生たちも指導しやすくなります」とメリットを語ってくれました。

もうひとつ、生田氏が「i-FILTER@Cloud」の優れている点として挙げるのは、ストアアプリ内のSNSにも制限がかけられ、SNSへの抜け道を防げることだといいます。市原市では教員のICT活用が進むにつれて、プログラミングなどのストアアプリの利用が増えているようです。しかし、こうした種類のアプリには作品の共有を目的にしたSNSのボタンが付いており、子どもたちが簡単にアクセスできてしまうことが課題でした。

「先生方のICT活用も進んでくると、それぞれにやりたい授業が出てきて、ストアアプリを使いたいという要望が定期的にあります。しかし、最近のストアアプリはSNSへの共有機能を設けているものが多く、授業で使うには不安があります。そこで市原市では『i-FILTER@Cloud』で、そうしたアプリ内のSNSをブロックするようにしました。こうした細かな制御ができたことで、先生方の要望にも応えられ、学校現場の使いたい声に寄り添うことができていると思います」と生田氏は語ってくれました。

「i-FILTER@Cloud」の安心・安全な環境と充実した整備で、持ち帰り学習が加速

GIGAスクール構想の前から先進的なICT活用に取り組んできた市原市。1人1台端末の活用が本格的にスタートしてからも、さまざまな実践に挑戦しています。デジタルドリルを活用した個別学習や授業支援システムを用いた協働学習、Microsoft Teamsを活用した遠隔授業など、子どもたちの学びは着実に広がっています。

なかでも市原市の取り組みで注目したいのは、持ち帰り学習です。同市ではGIGAスクール構想の当初から持ち帰り学習を視野に入れ、インターネット環境のない家庭用にモバイルWi-Fiルーターを整備。端末のACアダプターも1人当たり2台ずつ配備するなど、利便性の高い環境を実現しました。さらに、持ち帰り学習で使用するデジタルドリルには、教員が宿題を出しやすいように、オフラインで取り組めるものを選択。その結果、GIGAスクール構想の初年度にもかかわらず、市内62校のうち、ほとんどの学校で持ち帰り学習が実施され、デジタルドリルへのアクセス数が日本一を記録した月もあったといいます。

また、子どもたちのICT活用も広がってきているようです。市内のある中学校では、生徒総会の資料をPDFファイルで作成し、Microsoft Teamsで全校生徒に配布。生徒の投票をMicrosoft Formsで行うといった取り組みもありました。この中学校では、このような使い方を生徒がするようになってから、不適切な書き込みが減ったといいます。生田氏は「やってはいけないことを教えることも大切ですが、子どもたちにとって便利な使い方をしていけば、リテラシーも向上していくことを感じました。子どもたちが端末を思いきり使えるように、『i-FILTER@Cloud』がさまざまな危険を水際で食い止める役割を担ってくれています」と述べています。

市原市のGIGAスクール概要
市原市のGIGAスクール概要

修学旅行でのタブレット活用やバーチャル社会科見学にも挑戦

市原市では今後もICTを活用した先進的な学びに多く取り組んでいく考えです。たとえば、修学旅行ではタブレット端末とモバイルWi-Fiルーターを持参し、生徒たちはTeamsを通じて教員と連絡を取り合いながらグループワークに挑戦します。また大手企業と連携した「バーチャル社会科見学」や、IoTブロック「MESH」を活用したプログラミングの授業、さらには、自動車工場と学校をリモートでつなぐプログラミングの授業など、子どもたちがワクワクするような学習が予定されています。

一方で、教員のICT活用スキルの向上には、引き続き力を入れていきたいと語る生田氏。ICTを活用した新しい教育活動や学習は、安全性と自由度のバランスが求められますが、それを叶えていくためには教員のICTスキルの向上が欠かせないというのです。

生田氏は、「先生方の間で利用が進んでいるYouTubeの活用範囲を広げていきたいですね。『i-FILTER@Cloud』のWebサービス制御を利用すれば動画単位で視聴を許可することもできるので、こうした機能を上手く活用して、先生方がどんどんICTを使えるようにしていきたいです」と語ってくれました。

それ以外にも市原市では、外部人材を登用するGIGAスクールアドバイザーを新たに設置することが決まっています。具体的には指導主事に同行して各学校のICT活用について直接指導するコーディネータと、研修や学校のヒアリングをしながら次年度の立案をするイノベータ、2つの人材を設けて現場のICT活用を盛り上げていきます。

このように充実したICT環境と新しい挑戦で、GIGAスクール構想をリードする市原市。1人1台時代の学校がめざす、ひとつのカタチだといえるでしょう。

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