導入事例

東日本旅客鉄道株式会社

東日本旅客鉄道株式会社
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2017年4月に旧国鉄の分割民営化に伴う会社発足から30周年を迎えたJR東日本。2012年10月に「グループ経営構想V ~限りなき前進~」を策定し、ICT活用による現場第一線の業務革新を進めている。
  • 旅客鉄道会社

現場業務の効率化に向け計3万7000台ものタブレット端末を配布

東日本エリアにおける公共交通の要として、1日あたり平均1700万人以上もの移動を支えているJR東日本。JR東日本では、2012年に策定した「グループ経営構想 V~限りなき前進~」では「変わらぬ使命」と「無限の可能性の追求」を重要な柱とし、持続的成長の実現およびさらなる社会貢献に向けた多分野での取り組みを強化している。

こうした取り組みの中で、ICT活用の一環として進められているのがタブレット端末の現場活用だ。2013年より、現場業務向けタブレット端末「Joi-Tab」として「iPad mini」および「iPad Air」を段階的に導入。現在では駅員/乗務員をはじめ保線/電気設備/土木/建設など各方面に計3万7000台ものタブレット端末を配布。現場業務の効率化を行っている。

東日本旅客鉄道 総合企画本部 システム企画部 計画グループ 課長 中島 雄一氏
東日本旅客鉄道 総合企画本部
システム企画部 計画グループ
課長 中島 雄一氏

JR東日本 総合企画本部 システム企画部 計画グループ 課長の中島雄一氏は「『Joi-Tab』は特定の業務ではなく、現場全体の改善を目的として導入されました。単純に“使えば業務が効率化できる”というよりも、現場業務に携わる人材の“考える力を発揮させる”ツールという位置づけです。中には端末の操作に不慣れな方もいますが、そうした部分の課題解決も含めて、若い世代を中心に職場主体で積極的な活用が進められています」と語る。

部署を問わず幅広い現場で有効活用されているJoi-Tab

東日本旅客鉄道 総合企画本部 システム企画部 計画グループ 小幡 裕和氏
東日本旅客鉄道 総合企画本部
システム企画部 計画グループ
小幡 裕和氏

「Joi-Tab」の使い方は現場ごとに異なるが、JR東日本 総合企画本部 システム企画部 計画グループの小幡裕和氏は、幅広い現場で有効活用されていると語る。

「たとえば駅構内ではお客さま案内などに利用されているほか、これまで乗務員が持ち歩いていたマニュアルの電子化で負担を大幅に軽減できました。部署を問わず異常発見時に写真とコメントで迅速な情報共有が行えるシステムや、駅員が事務所へ戻ることなくタブレットから新幹線の運行情報を確認できるシステム、アドレス帳から検索してタブレットへ直接メッセージが送れる機能なども好評です」(小幡氏)

また、システム企画部では「Joi-Tab」の活用を促進するべく、JR東日本およびグループ各社向けの社内プレゼンテーションイベント「Tablet EXPO」を開催している。このイベントは、各現場が「Joi-Tab」の活用方法を発表しあうことで、ノウハウの共有に加えて、現場が刺激を受け、“考える力”につながる、というもの。なお、「Tablet EXPO」で発表されたアプリは、社内専用アプリストア「Joi-Store」からすぐにダウンロードできるため、有効なアプリの利用促進にもつながっているという。

中島氏は「社員が現場の課題と真剣に向き合い、それを解決するためのツールとして『Joi-Tab』が活用されているのは嬉しい限りです」と語る。

JR東日本の厳しいセキュリティ要件を満たすMDM選定

JR東日本情報システム システム開発本部 グループICT推進室 次長 山田 康弘氏
JR東日本情報システム
システム開発本部
グループICT推進室
次長 山田 康弘氏

このように、JR東日本では計3万7000台ものタブレット端末が現場で活用されているが、現場での自主性を尊重する一方で、企業としてセキュリティ面にも細心の注意を払っている。こうした観点から、端末と同時に導入したのがモバイル端末管理(MDM)ソリューションおよび、デジタルアーツのスマートデバイス向けWebフィルタリング「i-FILTER ブラウザー&クラウド」だ。

JR東日本およびグループ各社に対して業務用システムの提案・管理・運用を担当している、JEIS システム開発本部 グループICT推進室 次長の山田康弘氏は「複数キャリアから端末を採用している関係上、全端末の一括管理を行うには各通信キャリアが提供するMDMではなく、独立した製品を選ぶ必要がありました。その中でも、選定条件としてもっとも重視したのはセキュリティです。JR東日本グループの厳しいセキュリティ要件を満たす上で、万が一の紛失・盗難に備えたリモートでのロックやデータ消去、端末状態の確認、各種アプリ制限、そして強固かつ利便性の高いWebフィルタリングは必須でした。また、端末台数が多いためコスト面の優位性や、迅速できめ細やかなサポートが期待できる国産製品である、といった部分も重要といえます。このような条件で複数製品を比較・検討し、最適と判断したのが現在のMDMと『i-FILTER ブラウザー&クラウド』の組み合わせです」と、その選定理由を語る。

セキュアかつ自主的な現場活用に必須のWebフィルタリング

JR東日本情報システム グループICT推進室 グループICT計画グループ リーダー 穂積 学氏
JR東日本情報システム
グループICT推進室
グループICT計画グループ
リーダー 穂積 学氏

セキュリティ要件の中でもWebフィルタリングについては、インターネット利用時の情報漏えい対策や私的利用の抑制手段をより強化するという背景から、デジタルアーツの「i-FILTER ブラウザー&クラウド」を導入した。同社が採用したMDM製品にも標準でWebフィルタリング機能が搭載されているが、ブラックリスト/ホワイトリストで運用するにはどうしても手間と時間がかかってしまう。その点、「i-FILTER ブラウザー&クラウド」ではフィルタリング用データベースと専用ブラウザーの採用によって、管理画面からアクセス制限をかけたいカテゴリにチェックを入れるだけで高精度なWebフィルタリングが可能。また、お気に入りのWebサイトを配信する「お気に入り設定」や、Webサイト閲覧履歴取得とログ出力が行える「Web閲覧履歴取得」も利用可能になる。

JEIS グループICT推進室 グループICT計画グループ リーダーの穂積学氏は「普段の運用ではブロックやWeb閲覧の履歴を細かくチェックしていませんが、もしセキュリティ・インシデントが発生した場合、こうした履歴確認を行えること自体に大きな意味があります。迅速なフォレンジック調査には必要不可欠な存在です」と、運用における履歴取得の重要性を語った。

このように「i-FILTER ブラウザー&クラウド」は、現場における自主性の尊重、情報セキュリティの確保、運用面の効率化という3つの条件を満たす上で、極めて重要なファクターのひとつとなっているのだ。

最先端技術の活用でさらに上のステージを目指す

「Joi-Tab」とMDM、そして「i-FILTER ブラウザー&クラウド」の導入により、現場全体の改善を推進してきたJR東日本。その取り組みは常に先を見据えており、「現在は社内のプラットフォームと『Joi-Tab』が分離された状況にあり、ユーザーから“社内ポータルサイトを『Joi-Tab』から閲覧したい”といった要望も出てきました。セキュリティや技術的な観点での問題がクリアできれば、こうした要望にも応えていきたいですね」と、今後の展開について語る中島氏。

また「システム企画部としては、ICTという切り口から企業全体の働き方改革へどのように寄与していくかも重要な役割です。将来的にはAIなどの最先端技術も積極的に活用していきたいですね。現場で活用されている『Joi-Tab』はあくまでもクライアントですから、その上にあるシステムをいかにアップデートしていくかが鍵になると考えています」と続けた。このようにJR東日本が実践する現場業務の改革は、「グループ経営構想 V~限りなき前進~」を軸として、今後もさらに上位のステージへと発展し続けるだろう。

東日本旅客鉄道(JR東日本)

2017年4月に旧国鉄の分割民営化に伴う会社発足から30周年を迎えた東日本旅客鉄道(JR東日本)。営業エリアは関東、甲信越から東北までの広範な地域をカバー。営業区間は69線区延べ7,458.2kmにおよび、1日あたり平均1,700万以上もの移動を支えている。旅客鉄道事業に加え、幅広い事業を展開。東京圏を含む本州の東半分エリアを中心として、さまざまな事業を展開している。

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